アカウント
メニュー

CREATOR INTERVIEW VOL.13

この時代だからこそ、長く働きたい会社へ。 モノづくりを楽しめる環境を築いていく【後編】

Hmgtvv1lwfszng7c75bo

株式会社イメージソース

「より良いものが生まれる場のデザイン」をミッションにR&D(自社開発)に取り組むメンバーのモノづくりへの熱い想いとは。

1998年の設立以来、常にデザインとテクノロジーの可能性を追求し続けてきた株式会社イメージソース。これまでにカンヌ広告祭、One Show、D&AD Awards、ADFEST、Spikes Asiaといった様々なアワードで受賞実績のあるイメージソースであるが、2017年には株式会社D2Cと資本提携を果たし、NTTグループの技術を活用したデジタルクリエイションの取り組みを強化していく。そこで今回も前編に引き続き、同社で研究・開発(R&D)を進めるチームの皆さんにイメージソースの社風や、今後の展望について伺った。


「より良いものが生まれるデザイン」チームの役割は、会社をより良くしていくための先導役

イメージソースでR&Dを推進する「クリエイティブラボ」チームは、2016年9月に発足。単純にR&Dだけでなく、「より良いものが生まれる場のデザイン」として会社全体の環境をデザインしていく同チームは、イメージソースの中でどんな存在を目指すのか。リーダーである藤牧さんに語っていただいた。

藤牧:もともとR&Dや社外に対して作品を発表していく “オープンラボ” という活動をやっていましたが(※詳しくはインタビュー前編「大切なのは、より良いものが生まれる場のデザイン。数年先を見据えながら取り組むモノづくり」にてご覧いただけます。)、クライアントワークの片手間になってしまうと、やはりスピード感を持って取り組めませんし、形になりづらい状況に陥りがちでした。

取締役/アートディレクター 藤牧 篤さん
取締役/アートディレクター 藤牧 篤さん

藤牧:しかし、自発的なR&Dの取り組みから理想的な流れが生まれたケースもありますし、それを最大化する意識や環境が必要だなと感じていました。そこで、「先導役」としてクリエイティブラボというチームがあらゆる方面にアクションを起こし、会社全体でより良いモノづくりができる組織にしていくことを目指しています。

そして、純粋にモノづくりを追求する「クリエイティブラボ」チームは、積極的に議論をし、トライアンドエラーを繰り返す。

吉井:このチームは、よく発言するタイプのメンバーが多いと思います。R&Dの話だけでなく、会社全体がどうすれば良くなるか、話し合い、実際に行動にも移しています。細かいところで言えば会社の勤怠システム、大きなところで言えばイメージソースが目指すべきビジョンについても議題に上がります。

宮崎:議論の場で「ああだよね」「こうだよね」と突き詰めて話し合っていくと、本質的な課題が見えてくるんですよね。そして本質の課題をみんなで共有し合うというのは、クリエイティブラボチームの特徴かもしれません。

藤牧:そして僕たちは「こうしたほうがいいのでは?」と言うだけではなく、実際にトライできる自由な環境を作り出しました。改善の余地があるものは、どうしたら良くなるかを考え、実験します。そういったトライ&エラーを繰り返せるのが、このチームの良いところかなと。

チームが発足して半年。すでにクリエイティブラボは、イメージソース全体の「より良いものが生まれる場のデザイン」にも取り組んでいる。

宮崎:細かいことですが、情報共有の場づくりにも取り組んでいます。Web制作もインスタレーションの現場も、企画会議を行うことが多いのですが、そこでせっかく集まった情報やアイデアというのが、これまであまり社内で共有できていなかったんです。インプットがないとアウトプットは生まれないのに、社内で情報共有できていないのはマズいなと。そこで、Evernoteやスプレッドシートを活用して、各々の情報を溜められる場所をつくるのを最初の半年はコツコツとやっていました。

デザイナー 宮﨑 菜通子さん
デザイナー 宮﨑 菜通子さん

宮崎:基本はみんな「なにかをつくりたい」というモチベーションを持ってイメージソースに入社しているので、最近はお弁当を食べながらライトに情報共有し合う場を設けたり、クリエイティブラボだけでなく全社でライトニングトークのような会を開いたりと、いまは会社全体で新しい「モノづくり」をしていくタネが出来つつありますね。

藤牧:情報共有やミーティングの質を高めていくと、「より良いものが生まれる場のデザイン」に確実に繋がります。しかし、改めて見直していくと、当たり前のことを当たり前にやるということでもありました。

「いろいろなことが同じ空間で同時進行している」自由な文化が生まれる理由

自由な環境なのは、クリエイティブラボチームだけではない。イメージソース全体でも、自由な文化がある。

吉井:僕たちのチームだけではなく、会社全体的に自由な文化があると思います。仕事においても、Webをつくる案件もあればデバイスをつくる案件もありますし、インスタレーション案件もあります。いろいろな相談が集まるので、自分次第で、やろうと思えばいろいろできる環境ですね。

宮崎:オフィスには関連会社の「NON-GRID」をはじめ別の会社も入っているため、いろいろなことが同じ空間で同時進行しているというのも、自由な雰囲気に繋がっていると思います。オフィス内のギャラリースペースでアート作品の展示をやっていたり、ジュースブランドの商品や野菜の無人販売をしている横にデジタルデバイスが置いてあったり、オフィス自体が自由ですからね。

NON-GRID
NON-GRID

イメージソースは2017年にデジタル広告・マーケティング事業を展開する株式会社D2Cと資本提携を行う。いわば大企業のグループ会社になったわけだが、自由な社風が損なわれることもなく、むしろ可能性が広がった。

藤牧:D2Cとグループ関係になりましたが、現場レベルでは働き方や仕事の進め方に大きな変化はまったくないですね。硬い雰囲気になった、なんてこともないですし。むしろ、NTTグループやdocomoグループが持つテクノロジーに対して、僕らが関与していける機会がどんどん増えていくため、R&Dの領域においては非常にメリットが出てくると思います。

加藤:幅広い事業領域を持つ制作会社は、自分たちの強みをしっかりとアピールすることが難しい場合があります。しかし、イメージソースは、大きな資本を持つD2Cグループとなったことで領域が広がっていても、相談される案件、プランの提案を行う際にも、自分たちだからできそうなこと、自分たちしかやらなそうなことを意識して取り組み、自分たちの強みをしっかり持っていこうという文化があると思います。

ディレクター 加藤 雄也さん
ディレクター 加藤 雄也さん

案件も人材も多種多様だからこそ、スペシャリストが活躍できる場所

自由な社風というイメージソース。そこに集まるメンバー間では、エンジニア、デザイナーの垣根を越えた「好きなもの」を通じてのコミュニケーションが生まれていた。

吉井:イメージソースは、アートとかデザインが好きな人が多いと思います。職種に関係なくエンジニアでも、なにかしら自分の好きなものを持っている人は楽しめる環境ではあるかもしれません。ただ、無理に合わせる必要もなくて、自由なコミュニケーションが基本なので、気にする必要はないです。

テクニカルディレクター 吉井 正宣さん
テクニカルディレクター 吉井 正宣さん

クリエイティブラボチームでは現在、採用も進めている。R&Dの現場において求める人物像についても伺った。

吉井:いまイメージソースでは案件自体もそうですし、集まっているメンバーの経歴的にも多種多様なので、良くも悪くもジェネラリストが多いです。なので、ひとつの分野に強みを持ったスペシャリストは重宝されるかもしれません。画像解析とか、機械学習やディープラーニング、電子工作やメカトロニクスなど。一方で僕は、前職は営業で、今はエンジニアとしてもちろん自分で開発しますし、ディレクション側にまわることもありますし、本当に自分次第で何にでも挑戦できる環境です。強い想いを持った方と一緒に仕事ができればいいなと思っています。

藤牧:スペシャリストはデザイナーも同様ですね。Webでもインスタレーションでも、デザイナーはコンテンツそのものを作り出すことに力を入れていく必要があります。求められるスキルや幅はどんどん広がり、モーショングラフィック、3D、ビジュアライズ、インタラクション、情報設計など多岐に渡っています。この状況では、人それぞれが持ち合わせた得意分野の技能を上手く組み合わせて、チーム内で補い合うことが不可欠となります。いろんな分野の人の視点やアイデアが混じり合うことは、面白いモノづくりに繋がると思っています。

種村:ディレクターやプロデューサーというポジションに関して言えば、Webの案件もやります、インスタレーションもやります、アプリもやります、といった会社なので「広い範囲に興味を持っている人」は仕事を楽しめると思います。また、扱う商材も食品系であったり、アート系であったり、スポーツであったりするので、そういう意味でも「広い範囲に興味を持っている人」は欠かせない要素だと思います。

自ら手を動かし、イメージソースに新しい風を吹き込む。机上の空論に終わらせない。

発足して間もないR&Dチーム「クリエイティブラボ」。各々のメンバーが抱く展望には、個人の目標にとどまらない、イメージソース全体を考えた熱い想いが込められていた。

大塚:まずはコンスタントにモノづくりを行い、発表してくことが目標です。そしてイメージソースには共通の興味を持ったメンバーが多いので、他業種がもっと絡み合ってR&Dに取り組んでいけたら面白いだろうなと思っています。

種村:自然とR&D的な動きが生まれる、より積極的にモノをつくる社風になっていければと思います。例えば、音楽好きなメンバー同士でチームを作り、音系のインスタレーションを作ってみようって身軽に取り組める環境になり、それが最終的にクライアントワークとして案件化したら、それはすごく理想的ですね。

加藤:一言でいうと、「イメージソースにずっと身を置きたい」と思える人たちを増やしていきたいなと考えています。この業界は2〜3年周期で転職しがちですし、業界的にも当たり前になっているのですが、「辞めたいと思わない会社」づくりが必要だなと。それこそクリエイティブラボのミッションである「より良いものが生まれる場のデザイン」だと思っていて。イメージソースであればクリエイティブなこともできて、楽しく幸せに暮らしていける、そんな風にみんなが思ってくれる組織にしていきたいなと思っています。

吉井:いまのこの集まりを、ただの意識高い集団で終わらせたくない、というのが強くあります。これまではモノづくりのための土台を整えてきましたが、あとは実際に良いものをつくり続けられるかの勝負で、ものをつくってナンボだと思います。終わりはないと思うので、続けることが大事で、どうすれば良くなるか考えることをやめずに、つくり続けたいです。

宮崎:吉井と同じく、実際に「つくる」というのがすごく大事だと思っています。そして社内でモノづくりの環境が整うことで、社内で生まれたアイデアの種を、ゼロからしっかり育てて、花を咲かすところまでをずっと見守っていきたいです。

藤牧:いま活用できるメディアだけでなく、D2Cとの提携で関係が生まれたメディアとも連携し、このモノづくりの文化を社外に向けて発信していきたいです。また現在「UX WEDNESDAY」というUXをテーマにした学び場づくりにも取り掛かっています。社内だけではなく社外の方も参加できる形式で、第1弾は全3回を予定しており、豪華な講師陣を迎えての勉強会です。

UX WEDNESDAY
UX WEDNESDAY

藤牧:今後もインプットの場、コネクションづくりの場、いろんな側面を持った学び場にしていきたいと思っています。さらにその後には、R&Dによる新しいプロトタイプをお披露目する機会も予定しています。こうしたインプットからアウトプットまでをカバーする「より良いものが生まれる場のデザイン」で、イメージソースのこれからの文化をつくっていきたいと思っています。


取材を終えて

真摯な姿勢で「モノづくり」に挑むイメージソース。つくりたいという気持ちを持ったメンバーが集まったからこそ、モノづくりへの飽くなき挑戦があった。これからも進化し続けるイメージソースは、自分のスキルを新しい環境で活躍させたい、新しいスキルを身につけて表現の可能性を広げたい、そう思う方にとって最高の環境ではないだろうか。
取材・文:永田 優介 撮影:川島 勇輝