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CREATOR INTERVIEW VOL.198

顧客の目線に立ち続ける。タブコードが貫く、Web制作の枠を超えたパートナーシップとは

タブコード

Webサイトは公開して終わりではない。全員がディレクターとしてクライアントに貢献する、タブコードの文化とは。

Web制作会社は星の数ほどあれど、「クライアントの課題解決のためなら、予算を削る提案をすることもある」という会社はそう多くないはず。さいたま市に拠点を置く株式会社タブコードは、全員が「ディレクター」として外部パートナーとチームを組み、クライアントの利益を最優先に動くスタイルを貫いています。 今回は、株式会社タブコード代表の新田さん、グループ会社のランドガレージ代表の江口さん、執行役員の日高さんの3名にインタビュー。クライアントと深く長く伴走する独自の仕事論から、未経験者もプロフェッショナルへと育つ成長環境、そして「さいたま市から世界へ」と語る未来の展望まで、同社のリアルな魅力をお聞きしました。


Web制作はあくまで手段。クライアントの利益を第一に考える「パートナー」としての働き方

グループ会社である株式会社ランドガレージとともに事業を展開しているそうですが、株式会社タブコードが設立された経緯を教えてください。

江口: ランドガレージは1994年、新聞社出身の創業者がプロサッカーチームの招致活動をサポートしていたところから始まった会社です。当初はチームの切り抜き記事を届けるなど、Webとは関係のない業務から始まりました。1998年からスポーツビジネスを本格化し、紙媒体のデザインを中心に事業を拡大。時代の変化とともにデジタル需要が高まり、約11年前にWeb制作を専門とする子会社としてタブコードを設立しました。

グループ内では事業をどのように分担しているのでしょうか?

左から、株式会社タブコード代表 新田さん、グループ会社のランドガレージ代表 江口さん
左から、株式会社タブコード代表 新田さん、グループ会社のランドガレージ代表 江口さん

江口: 現在、Web制作自体はすべてタブコードで担っていますが、お客様との窓口は案件によって様々です。両社で連携しながら、お客様の課題解決に取り組んでいます。ちなみに両社のスタッフは同じオフィスで業務に従事しているため、気軽に相談したり確認したりして連携できる関係になっています。

新田: 2025年9月には、グループ会社のランドガレージの経営体制を一新しました。ランドガレージは地域やスポーツという領域で一定の認知を得られるようになりました。その一方、タブコードは領域や場所にとらわれることなく、事業をさらに推進できればと考えています。こうした経緯を踏まえ、グループ一丸でさらに成長すべく経営体制を刷新しました。今後はよりタブコードとランドガレージの双方で力を入れて伸ばしていくという姿勢を内部と外部双方に示すため、改めて体制を整えました。

両社が事業を進める中でこだわっている部分などありますか?

新田: 9割以上のお客様と直接取引をさせていただいている点です。この点はランドガレージとタブコードの双方でこだわりを持ち、案件を進めています。

江口: これは過去に大手代理店さんとの仕事で理不尽な修正指示や大幅な手戻りが頻発し、疲弊してしまった経験があるためです。お客様との間に代理店などが介在すると、どうしてもお客様の熱意や細かなニュアンスが伝わりにくくなります。私たちの「熱」をダイレクトにお客様に届け、一緒に課題解決に向かいたいという想いを強く表すためにも、お客様と直接取引するよう心掛けています

新田: もちろん仕事の流れで代理店さんが入ることもあります。しかしその場合も必ずタブコードとして名前を出させていただき、お客様と直接対話できることを条件にしています。お客様のお話を直接伺うことで、言葉の裏にある本質的な課題を理解し、より質の高い提案ができると考えています。

本質的な課題となると、本来の依頼事項と支援内容が変わることもあるのでしょうか。

新田: はい、頻繁にあります。例えば「Webサイトを作り、問い合わせを増やしたい」というご相談では、Webサイトに300万円かけるより、100万円でシンプルなWebサイトを作り、残りの200万円で別の施策を打った方が効果的なケースも少なくありません。こうした「目的を明確化し、予算を最も効果的に配分する」という視点は、私が前職で「発注側」の立場だった経験から来ています。受注側は「より良いもの」を追求しがちですが、発注側は「予算に合わせたい」「とにかく早く公開したい」といった異なる視点を持っています。その両方を理解しているからこそ、最適な提案ができるのだと思います。

江口: お客様の事業を伸ばすことが私たちの目的なので、「Webサイトを作る」はあくまで手段の1つに過ぎません。時には「ティッシュを配った方が早いかもしれませんよ」なんてお伝えすることもあります。お客様の事業担当者になったつもりで、予算の使い方から一緒に考える。そうした関係性の中から、「次はパンフレットをお願いしようかな」「ロゴも新しくしたい」といったように、長く深いお付き合いに繋がっていくことが多いですね。


なぜ「ディレクターだけ」の組織なのか?案件ごとに最適なチームを組むクリエイティブの自由

社員はディレクターのみ、という組織体制は非常にユニークですね。どのような意図があるのでしょうか?

ランドガレージ代表 江口さん
ランドガレージ代表 江口さん

江口: 第一線で活躍されているデザイナーさんやカメラマンさんといったクリエイターの方々に適正な対価をお支払いし、そのうえで属人化しない組織体制にしたいという狙いがあります。ディレクターが主体となって多くのプロジェクトを進行する方が、個人の成長にも繋がると考えています。

新田: あくまでディレクターという肩書きですが、実態はプロジェクトマネージャーやプロデューサーに近い立場で業務に携わります。営業という肩書きの社員もいないため、全員が営業的な役割も担っています。お客様からのご相談を受けるところからWebサイト公開後の運用まで、一気通貫で伴走します。お客様側の担当者になったつもりで動く、というのが基本スタンスです。社内にデザイナーがいると、どうしてもそのデザイナーに仕事を割り振ることが前提になってしまいますからね。そうではなく、「この課題なら、あのデザイナーさんにお願いしよう」、「今回は新しい方を探してみよう」と、全国にいる約30〜50名のパートナーの中からプロジェクトごとに最適な方を選べる柔軟性を大切にしています。

「パートナー」との関係性も非常に重視されていると伺いました。

日高: そうですね。以前、先輩から「パートナーさんの背景をちゃんと理解しなさい」と教わったことがあります。その方がどういう経緯で私たちと繋がっているのか、私たちの会社から支払われるお金がその方の生活のどれくらいを支えているのか。そこまで考えて付き合うことで、本当の信頼関係が生まれるんだと教わりました。年に一度、パートナーさんを招いてBBQなどの懇親会も開いています。会社として丁寧に信頼関係を築くことを大切にしています。

そのほかタブコードの事業領域で特徴的な取り組みはありますか?

日高: 当社ならではの事業は主に2つあり、1つはサブスクリプション型の「TWO by TWO」というサービスです。月額2万5000円で契約期間の2年間は、Webサイトを公開してからページの更新、リニューアルなどを毎月支援させていただきます。サブスクリプション型の類似サービスは他社にもありますが、当社はクライアントごとに専属のコーディネーターが必ず就くのが特徴です。中小企業などの中には更新まで手が回らなかったり、Webの知識がなく自力で解決できなかったりするケースが多くあります。Webサイトは、公開して終わりではありません。公開後もコーディネーターがサポートすることでコミュニケーションをこまめにとり、お客様の悩みをWebにとどまらず解決できるようにすることに主眼を置いています。

新田: もう1つ当社ならではの特徴的なサービスに、「Oripe(オリぺ)」があります。これはスマートフォンやパソコンから簡単にWebページを制作するツールで、登録から実際の利用まですべて無料です。無料だからといって作成したWebページに広告などが表示されることはなく、その代わりにサイト制作者の管理画面に広告が表示される仕組みとなっています。

Webに関する知識があまりないクライアントでも、継続的にWebサイトを管理したり制作したりできる環境を揃えているのですね。

新田: はい。中小企業のお客様を中心に、Webに関する悩みを抱える企業は多いです。お客様にとって、より本業に専念いただけるようなサービスの拡充を目指しています。


未経験からプロへ。知識ゼロから挑戦できる、成長を支える社風

日高さんはWeb業界未経験と伺いました。入社後のサポート体制などはいかがでしたか?

ランドガレージ執行役員 日高さん
ランドガレージ執行役員 日高さん

日高: 私はWebの知識ゼロからのスタートでしたが、丁寧に教えてくれる環境だと感じました。もちろん、分からないことはまず自分で調べる姿勢が大切ですが、それでも解決しない時は周りの先輩方に聞くと、いつでも丁寧に教えていただけました。制作会社というと個人で黙々と作業するイメージがあるかもしれませんが、タブコードでは気軽に相談しやすく、明るい雰囲気がありますね。

江口: 中途社員はもちろん、全社員の成長をサポートする仕組みも揃えています。例えば週に1回30分の「Web研修会」を実施、社員の学びを支援しています。最近では取引先もお招きし、著名なAI分野のYouTuberによるウェビナーを開催するなど、常に新しい学びの機会を作っています。研修会は6年以上続けており、WebやITなどの最新トレンドに追随できるようにしています。

新田: 人前で発表する練習の場として、ホワイトボードを使った勉強会も行っています。さらに新しく入社した方にはWeb制作だけでなく、スポーツマーケティングなどの当グループが手掛ける様々な事業部を1〜2週間ずつ経験する研修期間も設けています。会社全体の事業を理解することで周囲のメンバーが何をしているかに関心を持ち、部署を超えた連携が生まれやすくなると考えています。


求めるのは「意図を汲む」力。私たちが一緒に働きたいクリエイター像

どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?スキルや経験以外で重視する点があれば教えてください。

株式会社タブコード代表 新田さん
株式会社タブコード代表 新田さん

新田: Web業界の経験は必須ではありません。中途のディレクター経験者もいますが、スクールを卒業したばかりの未経験者も活躍しています。アーティスティックな制作会社ではないので、技術力よりも「相手のことを考えられる」こと、そして「自発的に動ける」方を重視しますね。Webディレクターの仕事は、毎回違う業界の全く知らないテーマについてWebサイトを作ることがほとんど。「分からない」で立ち止まるのではなく、不確実な分からない状況でも進めていける推進力も必要ですね。

「分からなくても進める」というのは、具体的にどういうことでしょうか?

新田: もちろん闇雲に進むわけではなく、お客様との対話を重ねて真意を推察しながら進めていくということです。特にお客様は、ご自身が知っている言葉でしか要望を伝えられません。例えば「誰もが知っているアパレルのECサイトみたいなWebサイトにしたい」という言葉の裏には、「若い層にアプローチしたい」や「シンプルで分かりやすいUIにしたい」といった本当の目的=「意図」が隠れています。お客様の言葉をそのまま受け取るのではなく、対話を通じて本質的な意図を汲み取り、形にしていく。そのプロセスを楽しめる方と一緒に働きたいですね。

江口: そういう意味では「探求心」も非常に重要です。昨日までの常識が今日にはもう古い、なんてことが日常茶飯事の世界ですから。自分の知らないことに興味を持ち、積極的に学ぼうとする柔軟な姿勢が求められますね。

働き方について、特徴的なことがあれば教えてください。

新田: コロナ禍でも出社体制を続けました。当時入社した新人に対し、オンラインできめ細やかな指導は困難だと判断したからです。顔を合わせてコミュニケーションを取ることを、私たちは今でも大切にしています。ただ働き方への配慮がないわけではありません。

近年は平均残業時間が月5~10時間で、業界内では少ない方だと思います。これは、家庭を持つスタッフが多い状況となり、結果的にそのような数値になっているためです。プライベートとのバランスに考慮しながら働いている人が多い一方、イベントに関するWebサイトを作った際には、お客様のニーズに応えるべく、イベント当日に休日出勤することもあります。できるだけ長い時間働きたいという人もいるので、コミュニケーションを図りながら各自にとって望ましい働き方を模索しています。職域やライフステージごとに仕事への向き合い方が異なる社員の状況に十分配慮しています


さいたま市から世界へ。ローカルに根ざし、グローバルに挑む未来

さいたま市に拠点を置くことへのこだわりはあるのでしょうか?

新田: 実は意図的にこだわったわけではいないです。当初は東京の案件が多かったのですが、お客様と直接顔を合わせることを大切にする中で、自然と埼玉の仕事が増えていきました。今では埼玉で積み上げた実績が新たなお客様とのご縁を運んできてくれる、という良い循環が生まれています。

地域に根ざしながらも、グローバルな視点をお持ちだと感じます。今後の展望についてお聞かせください。

ランドガレージ代表 江口さん、執行役員 日高さん
ランドガレージ代表 江口さん、執行役員 日高さん

江口: 私たちが手掛けるWebもスポーツも、本質的にはグローバルなコンテンツです。埼玉という場所に軸足を置きつつも、将来的には海外との仕事を増やしていきたいと考えています。この埼玉の地から、世界をあっと言わせるような面白いことができたら最高ですね。

新田: 今後は「Oripe(オリペ)」の英語バージョンの開発も視野に入れています。まだ社内で話している構想段階に過ぎませんが、宣言しないと始まりませんからね(笑)。

最後に、タブコードという会社に関心を寄せる方々へメッセージをお願いします。

新田: もしあなたが、ただ言われたものを作るだけでなく、お客様の事業そのものに深く関わり、本質的な課題解決に挑戦したいと考えているなら、タブコードは魅力を感じる環境だと思います。制作会社としては珍しく、東京ではなく埼玉にあるものの、家から近い場所でワークライフバランスを保ちながらクリエイティブな仕事に打ち込める。そんな働き方に興味がある方からのご応募をお待ちしています。

江口: 経験は問いません。大切なのは、お客様やパートナー、そして仕事に対する「熱」です。私たちの想いに共感してくれる方と、ぜひ一緒に未来を作っていきたいですね。