
マーケティングミックスとは?4P・4Cについて詳しく解説
- 更新日 : 2025/08/29


マーケティングを成功させるには、顧客に「価値」を届けて選ばれ続けるために、様々な要素を戦略的に組み合わせることが不可欠です。
この記事では、具体的な実行戦略である「マーケティングミックス」の基本から、代表的なフレームワーク「4P」と「4C」を解説します。


マーケティングミックスとは?

マーケティングミックスとは、企業がターゲットとする市場や顧客から望む反応を得るために、複数のマーケティング要素を戦略的に組み合わせることを指します。
簡単に言えば、「誰に、何を、いくらで、どこで、どのようにして届けるか」というマーケティング戦略の具体的な実行計画のことです。
企業は、マーケティングミックスを最適化することで、企業は顧客満足度を高め、自社の売上や利益の最大化を目指します。
企業視点のフレームワーク「4P分析」

マーケティングミックスを考える上で、最も基本的で伝統的なフレームワークが「4P分析」です。企業がコントロール可能な4つの要素の頭文字を取ったもので、売り手側の視点で構成されています。
それぞれの要素を最適に組み合わせることで、戦略の効果を最大化します。
Product(製品)
Productは、顧客に提供する製品やサービスそのものです。製品の物理的な機能や品質だけでなく、デザイン、ブランド名、パッケージ、保証、アフターサービスといった無形の要素も含まれます。
ターゲット顧客が抱える課題を解決し、ニーズを満たす価値を提供できるかどうかが、すべての起点となります。
Price(価格)
Priceは、製品やサービスの価格設定です。価格は企業の利益に直接影響するだけでなく、顧客が製品に対して抱くブランドイメージを左右する重要な要素です。
価格決定では、まず製造コストや人件費を考慮します。さらに、競合製品の価格もあわせて考える必要があります。顧客が感じる価値(知覚価値)も総合的に判断することが大切です。
Place(流通)
Placeは、製品を顧客の手元に届けるための流通チャネルや場所を指します。具体的には、百貨店やスーパー、コンビニといった店舗、自社のECサイト、卸売業者や代理店などが含まれます。
ターゲット顧客が普段どこで買い物をし、どのような方法であれば製品を手に取りやすいかを考え、最適な流通戦略を立てることが重要です。
Promotion(販促)
Promotionは、製品やサービスの存在や魅力をターゲット顧客に伝え、購買を促すための活動全般を指します。例えば、テレビCMやWeb広告、SNSでの情報発信があります。プレスリリースでのPR活動や割引キャンペーン、 営業担当による人的販売なども含まれます。
顧客視点のフレームワーク「4C分析」

市場が成熟し、モノや情報が溢れる現代においては、企業視点の「4P」だけでは顧客の心を掴むのが難しくなってきました。そこで重要視されるようになったのが、顧客視点に立ったフレームワーク「4C分析」です。
買い手側の視点からマーケティング要素を捉え直すことで、より顧客に寄り添った戦略を立てることができます。
4Pから4Cへ
かつてのモノが不足していた時代は、良い製品を作り、効率的に届ければ売れました。しかし、現代は類似商品が市場に溢れ、顧客は無数の選択肢を持っています。また、インターネットの普及により、顧客は自ら情報を収集し、比較検討することが当たり前になりました。
このような環境では、「企業が何を売りたいか」ではなく、「顧客がどのような価値を求めているか」を考えることが重要です。視点の転換が、ビジネスを成功させるための鍵となります。
4Pと4Cの関係性
4Pと4Cは全く別の概念ではなく、表裏一体の関係にあります。4Pの各要素を、顧客視点で見つめ直したものが4Cだと理解すると分かりやすいでしょう。

4Cの各要素
4C分析では、顧客の立場に立って自社の商品やサービスを見つめ直します。「製品」は顧客にとっての「価値」に、「価格」は「コスト」に。このように視点を変えることで、本質的な課題や強みが見えてきます。
Customer Value(顧客価値)
Productを顧客視点で捉えると、「その製品を手に入れることで、自分にどのような価値があるのか」という視点になります。
顧客は単にモノが欲しいのではなく、それを使うことで得られる満足感や、課題の解決策を求めています。
Cost(顧客コスト)
Priceを顧客視点で捉えると、単なる製品代金だけではなく、店舗までの交通費や時間、ECサイトで探す手間も含まれます。
また、使い方を覚える労力もCostの一例です。製品を手に入れて利用するまでの、金銭的・時間的・心理的負担の全てがCostにあたります。
Convenience(利便性)
Placeを顧客視点で捉えると、「いかにスムーズに手間なく製品を手に入れられるか」というConvenienceになります。
24時間いつでも注文できるECサイト、自宅近くのコンビニでの受け取りサービスなど、顧客のライフスタイルに合わせた入手のしやすさが求められます。
Communication(コミュニケーション)
Promotionは企業からの一方的な情報発信と捉えられがちですが、顧客視点で捉えるとCommunicationです。
SNSでの対話、問い合わせへの丁寧な対応、イベントでの交流など、企業と顧客との双方向の繋がりが、信頼や愛着を育みます。
マーケティングミックスを成功させるための3つのポイント

マーケティングミックスを自社で考え、実践していく上で重要となる3つのポイントを解説します。
各要素に一貫性を持たせる
マーケティングミックスで最も重要なのは、4P・4Cの各要素に一貫性があり、整合性が取れていることです。
例えば、「最高級の素材を使った製品」を考えてみましょう。これを「激安ディスカウントストア」で販売します。さらに「値引きキャンペーン」を多用すれば、ブランドイメージは崩れ、顧客は混乱してしまいます。
全ての要素が同じ方向を向き、相乗効果を生むように設計することが不可欠です。
STP分析で定めたターゲットとポジショニングから逸脱しない
マーケティングミックスは、それ自体が目的ではありません。あくまでSTP分析で定めた戦略を実現するための手段です。市場を分け(Segmentation)、狙う顧客を定め(Targeting)、独自の価値(Positioning)をどう提供するかを具体化します。
常にSTP分析に立ち返り、戦略とのズレを防ぎましょう。「製品はターゲットのためか?」「価格はポジションに合うか?」といった自問自答を続けることが大切です。
定期的に見直し、改善を続ける
一度策定したマーケティングミックスが、永遠に通用するわけではありません。市場のトレンド、競合の動き、テクノロジーの進化、そして顧客の価値観は常に変化し続けています。
そのため、定期的に自社のマーケティングミックスの効果を測定・評価し、変化に対応して改善を続ける姿勢が不可欠です。
まとめ
本記事では、マーケティングの実行戦略である「マーケティングミックス」の基本を、4P・4Cのフレームワークを通して解説しました。企業視点の「4P」と顧客視点の「4C」を統合的に活用し、各要素に一貫性を持たせながら、市場の変化に合わせて戦略を見直していくことが成功の鍵です。
マーケティングミックスは、顧客に真の価値を届け、ビジネスを成長させるための強力なツールとなります。ぜひ、身の回りの商品やサービスがどのような戦略で成り立っているかを分析し、学びを深めてみてください。


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