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マーケティングのフレームワークとは?主要11種類の活用法を解説

  • 更新日 : 2025/11/19

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マーケティングフレームワークとは?

マーケティングフレームワークとは、マーケティング戦略を体系的に考え、実行するための枠組みや思考の型のことです。

企業はマーケティング施策に一貫性を持たせ、組織内での意思疎通や戦略の共通理解の向上、データ分析の効率化などのメリットが得られます。

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マーケティングフレームワークが担う役割

では、具体的にマーケティングフレームワークはどのように役立つのでしょうか。

ここでは、フレームワークが担う重要な役割について解説します。

状況の整理

フレームワークは、複雑に絡み合う情報をシンプルに整理します。自社や市場の状況を客観的に把握する手助けとなるため、課題や機会を明確に捉えることが可能です。

共通言語の確立

チームで戦略を検討する際、認識のズレは大きな障害となります。フレームワークはメンバー間の「共通言語」として機能し、円滑なコミュニケーションと迅速な議論が実現します。

意思決定の質の向上

フレームワークに基づいた分析は、勘や経験だけに頼らない判断を促します。データや事実を元に議論することで、客観的で質の高い意思決定ができ、戦略の成功確率を高められます。

フレームワーク活用のメリットと注意点

最大のメリットは、思考の効率化と網羅的な分析ができる点です。

しかし、フレームワークに当てはめること自体が目的にならないよう注意が必要です。分析結果から、次の一手を考えることが最も重要です。

環境を分析するためのフレームワーク

マーケティング戦略を立てる最初のステップは、自社を取り巻く環境を正確に把握することです。

ここでは、世の中の大きな流れから業界の構造まで、ビジネスチャンスやリスクを客観的に発見するためのフレームワークを紹介します。

PEST分析

PEST分析は、自社ではコントロールできない外部要因について把握し、事業戦略やマーケティング戦略の策定に活用することを目的としています。PEST分析は以下の4要素で構成されています。

・Politics(政治):法規制、政府の方針、政治的安定性、税制政策など
・Economy(経済):景気動向、為替、金利、物価、所得水準など
・Society(社会):人口構成、価値観、ライフスタイル、教育水準、文化など
・Technology(技術):技術革新、ITインフラ、研究開発状況、技術トレンドなど

新規事業の立ち上げや既存事業の見直し、M&Aなどの場面で有効な手法です。

ファイブフォース(5F)分析

ファイブフォース(5F)分析は、自社を取り巻く「5つの競争要因」を評価し、業界内の収益構造や競争の激しさを可視化します。

・業界内の競合(既存競合との競争)
・新規参入者の脅威
・代替品の脅威
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力

これらの要因を分析することで、市場の収益性や自社の強み・弱み、今後の戦略立案に必要な視点を得ることができます。

3C分析

3C分析は、企業のマーケティング環境を3つの視点から総合的に分析し、ビジネス戦略を立案するための基本フレームワークです。

・Customer(市場・顧客):市場規模、成長性、顧客ニーズ、購買行動、購買決定プロセスなど
・Competitor(競合):競合他社の数やシェア、商品・サービスの特長、強み・弱み、戦略、経営資源、新規参入や代替品の脅威など
・Company(自社):自社の売上・市場シェア、強み・弱み、経営資源、技術力、ブランドイメージ、戦略など

3C分析は、他のPEST分析や4P分析・4C分析などとも組み合わせて用いることで、より精度の高い戦略設計が可能です。

自社の立ち位置と戦略の方向性を定めるフレームワーク

環境分析で得た情報をもとに、自社の現状を深く理解しましょう。ここでは、自社の強みや弱みを整理し、事業の方向性を定めるフレームワークを解説します。

SWOT分析

SWOT分析は、企業や事業の「内部環境」と「外部環境」を4つの要素に分類して、整理・分析するためのフレームワークです。

・Strength(強み):自社や自社のサービスが持つ競争優位性や得意な点
・Weakness(弱み):自社や自社商品・サービスの短所や課題点
・Opportunity(機会):外部要因によるプラスの影響
・Threat(脅威):外部要因によるマイナスの影響

SWOT分析を行うことで、自社の現状や課題、市場における新しいチャンスや潜在的なリスクを整理・把握することが可能です。戦略立案や事業計画、マーケティング施策の検討に役立ちます。

STP分析

STP分析は、マーケティング戦略を立案する際の基本的なフレームワークです。市場を細分化し、ターゲットを定め、自社の立ち位置を明確にする3つのステップで構成されています。

・Segmentation(セグメンテーション):市場や顧客を属性やニーズなどで細分化する
・Targeting(ターゲティング):細分化された市場の中から狙うべき市場(ターゲット)を選定する
・Positioning(ポジショニング):選定したターゲット市場の中で、自社製品やサービスが競合とどう差別化できるか、どのような立ち位置をとるかを明確にすること

PPM分析

PPM分析は、複数の事業を手がける企業が、経営資源を最適化する手法です。「市場成長率」と「市場占有率」の2軸で各事業を評価します。

・花形(Star):高い市場成長率と高い市場占有率を持ち、将来性が期待される事業
・金のなる木(Cash Cow):市場成長率は低いが市場占有率が高く、安定した収益をもたらす事業
・問題児(Problem Child):市場成長率は高いものの、市場占有率が低く、投資でシェア拡大を目指す事業
・負け犬(Dog):市場成長率も市場占有率も低く、撤退や売却を検討すべき事業

企業は複雑な事業環境を視覚的に把握し、競合状況も含めて、戦略的に資源配分や投資判断を行うことが可能になります。

具体的なマーケティング施策を立案するフレームワーク

戦略の方向性が定まったら、次に行動計画を立てる段階です。この章では、具体的なマーケティング施策に落とし込むためのフレームワークを紹介します。

4P分析/4C分析

4P分析は、自社の製品・サービスを以下の4つの視点から分析し、マーケティング戦略や施策の立案に活かす手法です。

・Product(製品・サービス):どのような価値を市場に提供するか
・Price(価格):いくらで提供するか
・Place(販売場所・流通経路):どこで、どのように販売・提供するか
・Promotion(販促活動):どのような方法で製品・サービスを消費者に知らせ、購買を促すか

4C分析は顧客目線でマーケティング戦略を考えるためのフレームワークです。

・Customer Value(顧客価値):顧客が商品やサービスから感じる満足度や価値、ニーズへの応答度
・Cost(顧客コスト):顧客がその商品・サービスを購入・利用する際の費用や負担
・Convenience(利便性):商品やサービスを入手・利用するのにかかる手間や時間、アクセスのしやすさなど顧客の利便性に関する要素
・Communication(コミュニケーション):企業と顧客の間の情報交換や関係構築、顧客対応やプロモーション活動

企業視点の4P分析と異なり、顧客の視点に立つことで顧客満足やロイヤルティを高めることを目指します。

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AIDMA/AISAS

AIDMAは、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理プロセスを5つの段階に分けたマーケティング行動モデルです。

・Attention(注意):商品やサービスの存在に気づく段階
・Interest(関心):興味や関心をもつ段階
・Desire(欲求):購入したいという欲求が生まれる段階
・Memory(記憶):購入の意思を維持し記憶に留める段階
・Action(行動):実際に購入や行動を起こす段階

このモデルは、認知段階、感情段階、行動段階という3つのプロセスに分けて消費者心理を整理して点に特徴があります。

一方、AISASは、消費者の購買行動を5つの段階で示すマーケティングモデルです。

・Attention(注目):消費者が商品やサービスに注目する段階
・Interest(興味):注目したものに対して興味を持つ段階
・Search(検索):興味を持った商品について、インターネットで情報を検索する段階
・Action(行動):実際に購入などの行動を起こす段階
・Share(共有):購入後の体験や感想をSNSやレビューサイトなどで共有する段階

従来の「AIDMA」の消費者行動モデルをインターネット時代に合わせて進化させたものとして捉えられています。

RFM分析

RFM分析は、顧客行動を「最終購入日」「購入頻度」「購入金額」という3つの指標で分析し、顧客をグループ分けしてマーケティング施策に活用する手法です。

・Recency(最終購入日):顧客が最後に商品を購入した日
・Frequency(購入頻度):一定期間内の購入回数
・Monetary(購入金額):一定期間内の累計購入金額

良顧客や離反しそうな顧客を見極めることができます。

フレームワークを使いこなすためのポイント

フレームワークは、ただ知っているだけでは意味がありません。成果を出すためには、正しく使いこなすためのコツを理解することが不可欠です。

ここでは、実践で役立つ3つの重要なポイントを解説します。

目的を明確にして、最適なフレームワークを選ぶ

まず、「何を明らかにしたいのか」という目的を明確にしましょう。目的によって、使うべきフレームワークは異なります。現状分析、戦略立案、施策検討など、目的に合ったものを選ぶことが第一歩です。

1つに固執せず、複数のフレームワークを組み合わせる

1つのフレームワークだけでは、分析に偏りが生じることがあります。

例えば、PEST分析で外部環境を掴み、SWOT分析で自社戦略を考えてみましょう。複数の視点を組み合わせることで、より深く多角的な洞察が得られます

フレームワークはあくまで「手段」として認識する

最も重要なのは、分析結果を具体的な行動につなげることです。フレームワークの活用は、あくまでも優れた意思決定を行うための手段です。分析で満足せず、次のアクションプランを描きましょう。

まとめ

この記事では、マーケティングフレームワークの基本から応用まで解説しました。

フレームワークは、複雑な状況を整理し、戦略への道筋を照らす強力な武器です。これらを活用して思考を深め、マーケティング活動を成功に導いてください。

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