Webディレクターとは?仕事内容は?5つの仕事タイプと3つの必須スキル
- 更新日 : 2023/08/15
サイト制作をはじめとしたWebの案件では、プロジェクトを進行させるためにWebディレクターが必要となります。Webディレクターが担う役割は案件によって異なりますが、プロジェクトを成功させるために各メンバーとのコミュニケーションを密に取る重要な役割です。
今回はWebディレクターとはどんな職業なのか、5つのタイプ、Webディレクターになるために特に重要なスキルについてご紹介いたします。
Webディレクターとはどんな職業?
サイト制作をはじめWebコンテンツを作るプロジェクトでは、Webデザイナーやエンジニア、フォトグラファー、ライターなどさまざまなメンバーが関わります。これらのメンバーを統括し、プロジェクトを滞りなく進行させる役割を担うのが、Webディレクターです。
プロジェクトは基本的にチームで進行していくため、Webディレクターはチームのリーダーとなって各メンバーをまとめます。同時に、クライアントとも綿密にコミュニケーションを取り、不測の事態が起きないように細かく調整を行います。プロジェクトの企画立案から携わり、全体のスケジューリングや品質管理を行ったりするのもWebディレクターの仕事です。企業によってどんな人がWebディレクターになるのか、案件によって具体的にどれくらいの範囲を担うのかは変わりますが、プロジェクトの進行においては中心的な存在となります。
このようにWebディレクターはプロジェクトの全体をまとめることから、Webに関する幅広い知識が必要とされます。また、実務を通してさまざまなスキルや経験を積むことができるので、キャリアアップも見込めます。
Webディレクターの仕事内容、主な5つのタイプ
Webディレクターは、その仕事内容によって主に以下の5つのタイプに分けられます。
1.企画・マーケティング系のWebディレクター
企画立案から携わり、マーケティングの知識を用いてプロジェクトの設計を行うWebディレクターです。プランナーとしての役割を担っているので、プロジェクトにおける重要度が特に高いタイプのWebディレクターだと言えます。市場調査を行って狙うべきターゲット層や検索キーワードをピックアップし、どのような設計が適切か、どのようなクリエイティブが必要かを決めていきます。
企画内容をクライアントへ提案する立場なので、特にプレゼン能力が求められます。また、社内の制作チームを統率するためのコミュニケーション能力も重要です。
2.営業系のWebディレクター
クライアントとのコミュニケーションを綿密に取るタイプのWebディレクターです。企画・マーケティング系に比べると、社内のチームを回すよりもクライアントとのコミュニケーションが多く、クライアントが言語化しにくい要望も丁寧に汲み取ってプロジェクトに反映していきます。
営業の役割を兼任することも多く、特にコミュニケーション能力が求められます。常に相手の立場に立ち、気持ちを尊重した上で忌憚のない提案ができることが大切です。
3.アート・クリエイティブ系のWebディレクター
主にデザイナーの立場から提案を行う、クリエイティブに特化したタイプのWebディレクターです。Webデザイナーやフロントエンドエンジニアからのキャリアアップが多く、デザインによる課題解決のノウハウが求められます。ときには自身もデザインやコーディング、プログラミングの作業に加わりつつ、なぜそのデザインが課題を解決するのか論理的にクライアントに伝えます。
実際にWebデザイナーからアートディレクターという役割へキャリアアップした事例では、クライアントとのコミュニケーションやチーム運用の他に、進化していくWebデザインに対応していくためのチームマネジメントも重要だったといいます。各Webデザイナーに課題を与えるなどして成長するチームを作り、常に最新の課題に立ち向かえるようマネジメントできることはクリエイティブ系のWebディレクターの大きな強みだと言えます。
4.システム系のWebディレクター
システムに強い会社でディレクションを担うWebディレクターです。エンジニアやプログラマー出身者が担当することがほとんどです。現場のシステムエンジニアやプログラマーを統括し、Web制作会社やWebデザイナーなどと連携を取ってバックエンド領域の作業を進めます。
5.運用管理系Webディレクター
Webサイトの制作段階だけでなく、制作後の運用も管理するタイプのWebディレクターです。SEOの知識が求められ、サイト公開後にも施策を打って検索順位やCTRの改善を進めます。公開後の運用を見据え、制作時にもSEOの観点をふまえて情報設計を行います。記事コンテンツを担当してきたライターや編集者でSEOの知識があれば、運用管理系のWebディレクターに向いていると言えます。
Webディレクターの平均年収と需要
Webディレクターの平均年収は、「求人ボックス」によると正社員雇用で499万円です。(出典:求人ボックス ※2019年9月時点)
また、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、Webディレクターの平均年収は579.8万円です。(令和2年の調査)
ただし、Webディレクターの年収は所属する企業、持っているスキル、担当するプロジェクトによって幅が広くなっています。例えば、プログラミング言語「Ruby」が扱える条件では水準が約5%上がるといった違いがあります。また、Webディレクターはマネジメント能力を培うことができるため、Webプロデューサーやマネージャーへのキャリアアップによりさらに年収アップにつなげることも可能です。
Webディレクターへの需要は増加しており、今後も高い需要が見込まれます。近年スマートフォンの普及でWebを使ったマーケティングや販促がさらに重要度を増しており、自社サイトやECサイト、SNS活用、Webアプリの開発などを行う企業が増加してきています。このような案件を円滑に進行するためには、企画からプロジェクトの進行、運用管理までを担えるWebディレクターの存在が必要となるからです。
Webディレクターになるために必要な3つのスキル
Web制作に必要なスキルを列挙すると、企画やマーケティング、デザイン、コーディング、プログラミング、文章コンテンツ、SEO、データ解析など膨大な数になります。Webディレクターはどの領域についても知識をつけておくことが理想ですが、すべてに精通するのは現実的ではありません。
ここでは、プロジェクトや担当領域によって仕事内容が異なるとはいえ、Webディレクターを務める上で特に重要な3つのスキルをご紹介します。
1.コミュニケーション能力
Webディレクターは、Webデザイナーなどチーム内の各メンバーとも、クライアントともコミュニケーションを取る立場にいます。そのため、コミュニケーション能力は最重要スキルだと言えます。
クライアントとのコミュニケーションでは、要望の裏にある意図を汲み取り、最短で相手の望む形を実現することが求められます。クライアントは必ずしもWebに明るいわけではないので、Webディレクターは言葉をそのまま受け取らずにその意図を考え、チームで作った成果物の意図を正しく伝えることが重要です。
チーム内のコミュニケーション、ひいては各メンバーのパフォーマンスを最大限に引き出すのもWebディレクターの大切な役割です。Webディレクターが一人ひとりのスキルや個性を把握し、適切な指示を行うことで、Webデザイナーやエンジニアなど現場のメンバーが質の高い仕事をできるようになります。また、各メンバーが意見を出し合い、多角的な視点で提案できるようなチームビルディングも重要です。これにより、Webディレクターひとりが考えるのではなく、チームで考えた柔軟な提案をクライアントに行うことができます。
2.スケジュール管理能力
Webディレクターはプロジェクトを滞りなく進行させる役割も担うので、スケジュール管理能力も求められます。企画段階でクライアントと合意した納期にきちんとクリエイティブを納品するには、納品を可能とするスケジュールを設計し、進捗を管理してプロジェクトをスムーズに進行させます。
スケジュールどおりに納品して品質も上げるためには、実際に作業するメンバーが時間に追われず作業に集中できる環境を作ることが理想です。スケジュールの各工程にきちんとバッファを設定し、Webディレクターが常に調整を行うことでメンバーはクリエイティブに専念できるようになります。また、常に進化するWebのトレンドに対応できるよう、チームメンバーがスキルアップできるような余地を作ることも重要です。
3.Web解析能力
Webディレクターが身につけておきたいテクニカルなスキルとして、Web解析のスキルが挙げられます。特に運用管理のフェーズではサイトの課題がどこにあるのかを把握する必要がありますが、その情報を適切に収集し具体的な施策に結びつけるためにはテクニカルなスキルが必要となります。必ず取る必要はないですが、ウェブ解析士という資格もあります。
Web解析を通してサイトの課題を洗い出すことができれば、クライアントの要望を実現するためのクリティカルな改善につなげることが可能です。
Webディレクター向けの資格
Webディレクターになるためには必ずしも資格が必要なわけではありません。しかしWebディレクターといっても業界か企業によって役割や仕事内容が異なるため人によってスキルや経験による違うがあるのも事実です。プロジェクト遂行のため幅広い知識が必要であり、基本的なスキルや専門知識を持っているということの証明のためにも資格があると転職活動がスムーズに進むこともあります。
Webディレクターにおすすめの資格
・Webディレクション試験(資格名:Webディレクター)
・Webリテラシー試験(資格名:Webアソシエイト)
・Webデザイン試験(資格名:Webデザイナー)
・ウェブデザイン技能検定
・Webクリエイター能力認定試験
・ネットマーケティング検定
・Webアナリスト検定
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Webディレクターはプロジェクトの成功を左右する重要な役割
ここまでご紹介してきたように、WebディレクターはWebに関する幅広い知識が求められ、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションやスケジュール管理など重要な役割を担います。簡単な職業ではありませんが、さまざまなスキルを身につけることができるため、将来のキャリアアップにもつながるやりがいのある仕事といえます。
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クライアントに深く入り込み、上流サイドから支援をおこなうWebディレクター
B2B、B2Cともに大手ナショナルクライアントとの直取引がメインです。クライアントのニーズを理解した上で、プロジェクトの立ち上げから要件を定義し、社内外のメンバーと共にクライアントの事業/サービスのグロースに向き合って施策を実行していくことが主な業務です。 具体的には以下を行っていただきます。 【概要】 ・クライアントのビジネスから課題調査、Web戦略の提案 ・デジタルマーケティングを考慮したWebサイトの提案 ・プロジェクトの設計、推進 上記のほか、以下についても実施いただく幅広い内容です。 ・案件の進行管理 ・クライアントとのディスカッション、打ち合わせ ・与件定義、企画・要件定義 ・設計資料のアウトプット ・ビジネスパートナーとの連携 提案から企画、開発、運用、運用後のコンサルティングまで一貫したマネジメントをしていただくため、クライアントに深く入り込んだニーズの把握や課題形成、提案活動を行っていくことが可能となります。(上流フェーズでは、制作/開発の受託契約ではなく、準委任契約としてコンサルティングを中心として関わることも多く、近年では受託契約の割合が減っています。これも、INIがクライアントと長くつながり続けることができているからこそであり、信頼の賜物と考えています。)
- 東京
- 中途
- 350万~700万