
Webディレクターにおすすめの資格|転職に有利?Webディレクションスキルを証明する検定や資格とは
- 更新日 : 2010/05/08


Webディレクターになるために、Webに関する資格は特に必要ありません。しかし資格を習得することで、知識や仕事の幅は大きく広がります。それだけでなく、転職の際にスキルをアピールして選考を有利に進められるといったメリットもあります。この記事では、Webディレクターにおすすめの検定や資格をご紹介していきます。


Webディレクターの役割
Webディレクターは、企画立案からサイトの設計、制作進行管理、リリース後の運用まで、Webサイト制作のほぼ全工程に携わる重要な役割を担う職種です。プロジェクトの成功に向けて、技術的な知識だけでなく、コミュニケーション能力や調整力、マネジメント能力が求められます。
企画立案と要件定義
Webディレクターはクライアントや社内関係者との打ち合わせを通じて、Webサイトの目的や要望を詳しく聞き取ります。
具体的には、サイトの方向性を決定し、具体的な企画を立案。クライアントのビジネス目標やターゲットユーザーのニーズを理解し、それを反映した効果的なWebサイトの構想を練ります。要件定義では、サイトに必要な機能やコンテンツを明確にし、プロジェクトの範囲を確定します。
チーム編成と進行管理
プロジェクトの進行には、適切なチーム編成が不可欠です。Webディレクターは、デザイナー、プログラマー、ライターなど、必要なスタッフを選定し、チームを編成します。各スタッフの専門性やスキルを最大限に活かすために、それぞれの役割を明確にし、効率的な作業フローを構築します。
また、各スタッフの作業進捗を管理し、全体のスケジュールを調整することで、プロジェクトが円滑に進行するようにします。進行中に発生する問題や課題に対しても迅速に対応し、プロジェクトの遅延を防ぎます。
サイト設計とUI/UX改善
Webサイトの設計段階では、全体の構造やナビゲーション、ページレイアウトなどを詳細に計画します。ユーザーインターフェース(UI)の仕様を策定し、視覚的なデザインと機能性のバランスを考慮します。
また、ユーザー体験(UX)を向上させるための工夫も重要です。ユーザーの行動を予測し、使いやすさや直感的な操作性を実現するための改善提案を行います。
運用と改善
サイトリリース後もWebディレクターの役割は続きます。運用フェーズでは、サイトの更新作業やコンテンツの追加、定期的なメンテナンスをディレクションします。アクセス解析を通じてサイトのパフォーマンスを評価し、改善点を洗い出します。
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Webディレクターが資格を取得するメリット
Webディレクターは必須資格がない職種ですが、資格取得には多くのメリットがあります。
専門知識やスキルの体系的な習得・スキルアップ
Webディレクターには必須資格はありませんが、資格取得を目指す過程で、戦略立案、マーケティング、ITリテラシー、プロジェクトマネジメント、デザイン、プログラミングといった、この職務に求められる多岐にわたる知識を体系的に学ぶことができます。この学習を通じて、自身の知識の棚卸しができ、不足している分野や弱点を明確に把握し、それらを克服するための良いきっかけとなります。
結果として、業務に直結する実践的な知識が深まり、プロジェクトをよりスムーズに進行させたり、関係者とのコミュニケーションを効率化したりすることに繋がります。
スキル・知識の客観的証明と信頼性の向上
取得した資格は、自身の持つスキルや知識レベルを客観的に証明する有効な手段となります。その結果、クライアントや社内の上司、チームメンバーからの信頼を得やすくなるだけでなく、転職市場においても自身の能力を具体的に示すことが可能です。
特定の企業やプロジェクトに限定されない、汎用性の高いスキルの証明となるため、キャリアアップを目指す際や、より良い条件での転職活動において競争力を高める一助となります。
未経験者や異業種からの転職時のアピール材料
Web業界未経験の方や、他の職種からWebディレクターへのキャリアチェンジを目指す方にとって、資格取得は特に有効なアピールポイントとなります。資格の学習を通じて、Webディレクターという職種の全体像や求められる基本的な知識・スキルを効率的に把握することができます。選考過程において、職務への理解度や学習意欲を示す具体的な証拠となり、採用担当者に対してポジティブな印象を与えるでしょう。
Webディレクションにフォーカスした検定・資格
Webディレクターの仕事に関連する資格は複数あり、複数の法人・企業が検定試験を実施しています。まずは、Webディレクションにフォーカスした検定をご紹介します。
Webディレクション試験(資格名:Webディレクター)
Webディレクション試験は、株式会社ボーンデジタルが実施する「Web検定(ウェブケン)」という検定のうちの1つです。Webディレクション試験に合格すると、全日本能率連盟登録資格の「Web検定 Webディレクター」という資格を手に入れることができます。Web検定(ウェブケン)には他にも、Webリテラシー・Webデザイン・Webプロデュースという3つの試験があります。
Webディレクション試験はWeb制作の工程管理や現状分析、サイト全体の情報構造設計からプロジェクト企画、集客施策の立案・実施まで、幅広い専門知識を問う実践的な内容になっています。申し込みは「J-Testing試験申込サイト」からできます。
・試験方式:コンピュータ画面に表示される問題に解答
・試験場所:全国にあるJ-Testingテストセンターで受験
・受験料:10,000円(税抜)
・試験時間:90分
その他Webディレクターに関連する検定・資格
続いて、Webディレクションが中心ではありませんが、Web関連の仕事に関係する検定・資格をご紹介します。これらの資格を持っておくと、幅広い仕事に対応できることがアピールができるだけじゃなく、他の従業員と円滑にコミュニケーションが取れることもアピールできるでしょう。
Webリテラシー試験(資格名:Webアソシエイト)
Webリテラシー試験は先に紹介したWebディレクター試験と同様に、株式会社ボーンデジタルが実施する「Web検定(ウェブケン)」の1つです。こちらの試験では、Web制作に大きく関わるデザイナー・ディレクター・プロデューサーの三者が備えておくべき標準知識を問われます。使用言語や常識などを理解しておくことで、三者間でのコミュニケーションが取りやすくなるため、Webディレクターを目指す方にはおすすめだといえます。
・試験場所:全国にあるJ-Testingテストセンターで受験
・受験料:10,000円(税抜)
・試験時間:90分
Webデザイン試験(資格名:Webデザイナー)
Webデザイン試験も、前述したWebディレクション試験、Webリテラシー試験と同じく、「Web検定(ウェブケン)」の1つです。ビジュアルデザインのルール、HTML・CSSの書式や基本設計、実装技術など実際の業務に活かせるような試験内容で、Webサイトのデザインに関わる方にはおすすめの試験となっています。受験申し込み方法や、受験料、試験時間は他の試験と同様です。
・試験場所:全国にあるJ-Testingテストセンターで受験
・受験料:10,000円(税抜)
・試験時間:90分
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施している検定試験です。試験は学科(マーク方式の筆記試験)と実技に分かれており、ウェブデザインに関する知識・技能、実務能力が問われます。ホームページで会員登録をするとインターネットから受験申し込みができますが、郵送でも可能です。1~3級までがあり、それぞれの受験料と試験時間は以下の通りです。(非課税)
・1級
受験料 学科:8,000円 / 実技:25,000円 (実技はペーパー実技含む)
試験時間 学科:90分 / 実技:180分 / ペーパー実技60分
・2級
受験料 学科:7,000円 / 実技:16,000円(25歳以上)もしくは7,000円(25歳未満の在職者)
試験時間 学科:60分 / 実技:120分
・3級
受験料 学科:6,000円 / 実技:8,000円 (25歳以上)もしくは3,000円(25歳未満)
試験時間 学科:45分 / 実技:60分
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが実施している認定試験で、試験ではWebクリエイターに必要とされる、Webサイト制作のデザイン能力およびWebページのコーディング能力が問われます。実技試験は使用ソフトにより実技試験の時間が異なります。
試験はスタンダードとエキスパートがあり、それぞれの受験料と試験時間は以下の通りです。
・スタンダード
受験料 5,400円(税込)
試験時間 60分の実技のみ
・エキスパート
受験料 6,900円(税込)
試験時間 90分の実技に加え20分の知識問題
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、上記の「Webクリエイター能力認定試験」と同じく、株式会社サーティファイが実施している検定試験です。インターネットマーケティングの基礎から、リサーチ手法と分析方法、SEM・SEOをはじめとした検索エンジン対策、インターネット広告の基本知識、関連法規など幅広いネットマーケティングの知識が問われます。受験するには、ホームページから申し込みを行います。
・受験方法:リモートWebテスト
・受験料:6,000円(税込)
・試験時間:80分
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、日本語のウェブサイトの質の向上を目指すJWA(日本Web協会)が実施する検定試験です。Googleアナリティクスを主軸にした検定で、試験前には実際にGoogleアナリティクスを使用した講義を受けられ、そのあと試験に臨む形式になっています(試験だけの受験も可)。受験の申し込みはホームページから行うことができます。
・受験料:26,400円(税抜)前後 ※講座+テキスト+受験料で受講場所により異なる
・試験時間:80分
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の一区分であり、ITに関する基礎知識を証明する国家資格試験です。
IT化が進む現代社会において、職種を問わず役立つ基礎的なIT知識を証明することができます。比較的取得しやすい難易度であることから、IT関連のキャリアを始めるための最初のステップとして適しています。
・受験料 7,500円(税込)
・試験時間 120分間
ネットショップ実務士
ネットショップ実務士は、Eコマース業界での実務能力を証明する資格です。
急速に拡大するEコマース市場において、実務能力を客観的に証明できる資格として注目されています。特にレベル1と2は受験資格がなく誰でも挑戦できるため、Eコマース業界でのキャリアを始めるための良いスタートポイントとなります。
・受験料
レベル1:7,000円(税込)
レベル2:7,500円(税込)
Webライティング能力検定
Webライティング能力検定は、一般社団法人日本Webライティング協会が主催する資格試験で、Webライティングに関する知識とスキルを証明する検定です。
Webライターとのやりとりにおいて役立つのはもちろんのことで、サイト公開後のSEO運用などにもライティングの知識を活かすことができます。
・受験料 13,500円
※中高生、大学生、短大生:6,750円
※YouTube動画講座セット:19,800円
SEO検定
SEO検定は、一般社団法人全日本SEO協会が主催するSEO (検索エンジン最適化) の知識を測る検定試験です。
この資格を取得することで、Web集客の向上に繋がるサイト設計や、公開後のコンテンツ運営に役立てることができます。
・受験料
4級: 5,000円
3級: 5,000円
2級: 6,000円
1級: 8,000円
まとめ
Webディレクターの仕事は対象となる分野が広く、上記で紹介してきたように関連する検定や資格もさまざまです。検定や資格を取得することで、改めてWebに関する理解が深まるだけでなく、将来的に転職で有利になる可能性もあります。何か勉強を始めたいと考えている方は、ぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか。


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