
マーケターとは?仕事内容から必要なスキル、将来性まで詳しく解説
- 更新日 : 2025/08/29


現代のビジネスにおいて、マーケターは売れる仕組みを創り出し、企業の利益に直接貢献する重要な役割を担っています。しかし、「具体的に何をする人なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マーケターという仕事に興味を持つ方に向けて、その定義から具体的な仕事内容、求められるスキル、キャリアパス、将来性まで、詳しく解説していきます。


マーケターとは
マーケターとは、モノやサービスが売れる仕組みを作る専門家です。市場や顧客のニーズを深く理解し、それに基づいた価値を創造・提供することで、企業の利益最大化に貢献します。
ここでは、マーケティングの基本的な考え方と、マーケターが担う本質的な役割について解説します。
マーケティングの定義
マーケティングと聞くと、広告宣伝や販売促進(プロモーション)をイメージする方が多いかもしれません。しかし、それはマーケティング活動の一部に過ぎません。
本来のマーケティングとは、市場調査、商品開発、価格設定、プロモーション、販売、そして顧客との関係構築までを含む、一連の総合的な企業活動を指します。
単に商品を売るだけでなく、顧客が何を求めているのかを理解し、そのニーズを満たす価値を提供し続けることが、マーケティングの本質です。
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マーケターの役割
マーケターの最も重要な役割は、企業と市場・顧客との間の架け橋となることです。顧客の声に耳を傾け、市場のトレンドを読み解き、まだ満たされていないニーズ(インサイト)を発見します。
そして、そのインサイトを基に「誰に、どのような価値を、どのように届けるか」という戦略を立て、商品やサービスの価値を最大化し、最終的に顧客に選ばれ続ける状況を創り出すことが求められます。
マーケターの主な仕事内容
マーケターの仕事は非常に幅広く、多岐にわたります。企業の課題やフェーズによって担当する業務は異なりますが、一般的には「調査→企画→実行→分析」というサイクルを回していきます。
市場調査・競合分析
全てのマーケティング活動の起点となるのが、市場調査や競合分析です。アンケート調査、インタビュー、データ分析などの手法を用いて、市場の規模や成長性、顧客のニーズや行動、競合他社の動向をリサーチします。
このフェーズで得られた客観的な情報が、後の戦略立案の精度を大きく左右します。
商品・サービスの企画立案
リサーチで得た情報に基づき、具体的なマーケティング戦略や商品・サービスの企画を立案します。具体的には、「どのようなターゲット顧客に」「どのような価値を」「いくらで」「どのような方法で」提供するのかを定義します。
ターゲット顧客像(ペルソナ)や、顧客が商品・サービスを知ってから購入に至るまでの道のり(カスタマージャーニー)を設計することも、重要な仕事です。
販売促進・プロモーション戦略の策定
企画した商品やサービスの価値をターゲット顧客に届け、購買を促すための具体的な施策を考えます。テレビCMや雑誌広告などのオフライン施策から、Web広告、SNS、コンテンツマーケティング、イベント開催まで、手法は様々です。
予算や目的に応じて最適なプロモーション手法を組み合わせ、一貫したメッセージで顧客にアプローチします。
施策の実行と効果測定
策定したプロモーション施策を実行し、結果を測定・分析します。Webマーケティングであれば、広告の表示回数やクリック数、Webサイトのアクセス数、コンバージョン率などのデータを日々追いかけます。
分析結果から施策の課題を洗い出し、改善策を立案・実行する「PDCAサイクル」を高速で回していくことが、成果を最大化する上で不可欠です。
マーケターの主な種類
デジタル化の進展に伴い、マーケターの専門領域は細分化されています。それぞれが異なる専門知識やスキルを武器に活躍しています。ここでは、代表的なマーケターの種類と特徴を紹介します。
Webマーケター
Webマーケターは、WebサイトやWeb広告を中心に、デジタル領域全般のマーケティング戦略を担当します。
具体的には、SEO(検索エンジン最適化)、リスティング広告、アフィリエイト広告、WebサイトのUI/UX改善などに取り組みます。Webに関する幅広い知識が求められる、デジタルマーケティングの中核を担う存在です。
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SNSマーケター
X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTokなどのソーシャルメディアを活用したマーケティングを専門とします。
アカウントの運用、投稿コンテンツの企画・作成、SNS広告の出稿、インフルエンサーとの協業などを通じて、ブランドの認知度向上やファンとの関係構築を目指します。
コンテンツマーケター
ブログ記事、動画、ホワイトペーパーといった有益なコンテンツを作成・発信し、潜在的な顧客を引きつけ、最終的にファンになってもらうことを目指します。
SEOの知識に加え、顧客の課題を深く理解し、価値ある情報を提供する企画力や編集能力が求められます。
CRMマーケター
CRMを専門とし、顧客との良好な関係を長期的に築くための戦略を担います。
顧客データの分析に基づき、メールマガジンやアプリのプッシュ通知などを通じて、一人ひとりの顧客に合わせた最適なコミュニケーションを行います。最終的には、リピート購入や顧客ロイヤルティの向上を目指す仕事です。
グロースマーケター
「グロースハック」という手法を用いて、製品やサービスの成長を最優先課題として取り組みます。データ分析を基に仮説を立て、A/Bテストなどの実験を高速で繰り返し、サービス改善やユーザー獲得の最適化を図ることを専門とします。
AIマーケティングスペシャリスト
AIマーケティングスペシャリストは、近年急速に需要が高まっている新しい職種です。AI(人工知能)ツールを活用して、膨大なデータの分析、顧客行動の予測、マーケティング施策の自動化などを行います。
データサイエンスやAIに関する専門知識とマーケティング知識の両方が求められます。
オフラインマーケター
オフラインマーケターとは、デジタル領域以外を主戦場とするマーケターです。役割は多岐にわたり、以下のような業務を行います。
・リサーチ
・MD(マーチャンダイザー)
・イベントの企画・運営
・テレビCMや雑誌広告のディレクション
マーケターに求められる必須スキル
多様な業務を遂行するマーケターには、特定の知識だけでなく、様々なスキルが複合的に求められます。ここでは、特に重要とされるスキルを紹介します。
データ分析力と論理的思考力
マーケターの意思決定は、勘や経験だけでなく、客観的なデータに基づいて行われます。
まず、売上データやWebサイトのアクセスログ、顧客アンケートの結果などを正しく読み解き、そこから課題や機会を発見する分析力が欠かせません。分析結果から筋道を立てて結論を導き出す論理的思考力も、あらゆるマーケターにとって必須のスキルです。
情報収集力とトレンド察知能力
市場や顧客のニーズ、競合の動向、新しいテクノロジーやメディアなど、マーケティングを取り巻く環境は常に変化しています。
常にアンテナを張り、世の中のトレンドや変化の兆しをいち早く察知し、自社の戦略に活かす能力が求められます。
コミュニケーション能力と調整力
マーケターの仕事は一人では完結しません。社内の営業、開発、デザイナーや、社外の広告代理店、制作会社など、非常に多くの人と関わりながら仕事を進めます。
自身の考えを分かりやすく伝え、関係者を巻き込み、プロジェクトを円滑に推進するための高いコミュニケーション能力と調整力が不可欠です。
マネジメント能力と主体性
マーケティング活動では、予算やスケジュール、関わる人材など、様々なリソースを管理する必要があります。目標達成までのプロセスを設計し、進捗を管理するマネジメント能力が求められます。
また、変化の激しい市場においては、常に課題意識を持ち、自ら仮説を立てて行動を起こしていく主体性も重要です。
マーケターに向いている人の特徴
スキルは後からでも身につけられますが、もともとの素養や志向性も重要です。ここでは、マーケターに向いている人の特徴を3つ挙げます。
数字やデータに基づいて考えるのが好きな人
マーケティングの成果は、売上やコンバージョン率といった数字で明確に現れます。感覚だけでなく、客観的なデータと向き合い、その背景にある意味を考えることに面白さを感じられる人は、マーケターとしての素質があります。
世の中の新しいトレンドや変化に好奇心旺盛な人
世の中の動きや人々の心理に対する尽きない好奇心は、マーケターのアイデアの源泉となります。次のトレンドを予測したり、新しいサービスやツールを試したりすることが好きな人は、マーケターに向いているでしょう。
課題解決のために自ら仮説を立てて行動できる人
「どうすればもっと売れるだろうか?」「この課題を解決するにはどうすれば良いか?」といった問いに対して、仮説を立てて行動を起こせる人は、マーケターに向いています。
マーケターになるには?未経験からのキャリアパス
専門的な職種であるマーケターですが、未経験からでも目指すことは十分に可能です。ここでは、未経験からマーケターになるための代表的なキャリアパスを3つ紹介します。
社内の関連部署から異動する
現在勤めている会社にマーケティング部署がある場合、まずはそこへの異動を目指すのが最も現実的なルートの一つです。まずは顧客や商品に関する知識を深め、異動を希望してみましょう。
未経験者歓迎の事業会社・支援会社に転職する
人手不足の企業や、若手を育成したいと考えている企業の中には、「未経験者歓迎」の求人を出しているケースも少なくありません。特に、Webマーケティング業界は成長市場であり、ポテンシャルを重視して採用する企業が見られます。
事業会社のマーケティング部や、企業のマーケティング活動を支援する広告代理店などが転職先の候補となります。
まずはWebライターなど関連職種で実績を積む
いきなりマーケターとして転職するのが難しい場合は、マーケティングに関連する職種で経験と実績を積むのも有効な手段です。具体的には、WebライターやSNS運用などが挙げられます。
特に、コンテンツマーケティングの領域では、ライティングスキルを直接活かせます。実績をポートフォリオとして示すことで、マーケターへの転職活動を有利に進められるでしょう。
マーケターのやりがい
厳しい側面もあるマーケターの仕事ですが、それを上回る大きなやりがいと将来性があります。ここでは、マーケターとして働く魅力と、今後のキャリアについて解説します。
仕事の成果が数字で見える
自身が企画・実行した施策の成果が、具体的な数字として可視化される点は、マーケターの大きなやりがいです。
目標を達成した際の達成感は格別であり、次の挑戦へのモチベーションに繋がります。
自身の企画が世の中に影響を与える
自分のアイデアが形になり、広告や商品として世の中に出ていく。そして、それがきっかけで多くの人の心を動かし、行動を促す。このように、社会に対して直接的な影響を与えられることは、マーケターという仕事ならではの醍醐味です。
AI時代でも需要は高い?マーケターの将来性
AIの進化により、データ分析や広告運用といった一部の定型業務は自動化が進むと予測されています。
しかし、新たな価値を創造する「戦略立案」や「クリエイティブな発想」、複雑な関係者をまとめる「コミュニケーション」といった領域は、人間にしかできない高度なスキルです。
AIを使いこなす能力を身につけることで、マーケターの市場価値は今後さらに高まっていくと考えられます。
マーケターのキャリアアップに役立つ資格
マーケターになるために必須の資格はありませんが、自身の知識やスキルを客観的に証明し、キャリアアップに繋げる上で役立つ資格はいくつか存在します。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティングの幅広い知識を体系的に学ぶことができる検定です。特定の業種や業界にとらわれない、普遍的なマーケティング知識が問われるため、基礎固めや知識の棚卸しに最適です。
統計検定
データ分析の基礎となる統計学の知識を証明する検定です。データドリブンな意思決定が求められる現代のマーケターにとって、統計学の知識は強力な武器になります。
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Googleが提供するアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」の習熟度を証明する個人認定資格です。特にWebマーケターにとっては必須とも言えるツールであり、この資格を持っていることは実務能力のアピールに繋がります。
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まとめ
本記事では、マーケターの仕事内容から必要なスキル、キャリアパス、将来性までを網羅的に解説しました。
マーケターは、単にモノを売るだけでなく、市場と顧客を深く理解し、新たな価値を創造することで企業と社会の成長に貢献する仕事です。変化の激しい時代において、マーケターの重要性はますます高まっています。
この記事が、マーケターという仕事への理解を深め、キャリアを考える上での一助となれば幸いです。


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