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独学でイラストレーターになるのは難しい?挫折しない勉強方法とロードマップ

  • 更新日 : 2025/07/10

「絵を描くことが好き」という気持ちを仕事にしたいと考えたとき、多くの人が憧れる職業が「イラストレーター」です。しかし、専門学校や美術大学に通う時間や費用がない場合、「独学でプロになれるのだろうか?」と不安に感じる方も少なくないでしょう。

結論から言えば、イラストレーターへの道は独学でも十分に開かれています。

この記事では、なぜイラストレーターの独学が「難しい」と言われるのか、その理由と対策を深掘りします。その上で、未経験からでも着実にスキルを身につけ、プロを目指すための具体的な学習ロードマップと、「挫折しないための秘訣」を徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、独学への不安が自信に変わり、イラストレーターへの第一歩を踏み出せるはずです。

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目次
イラストレーターの独学が「難しい」と言われる5つの理由覚えるべき専門用語と機能が多すぎる何から手をつければ良いのか分からない疑問点をすぐに質問・解決できる環境がない客観的なフィードバックがもらえず、成長が止まりがちたった一人でのモチベーション維持が困難でも大丈夫!独学でもイラストレーターになれる3つの根拠良質な学習教材が無料で、または安価で手に入る自分のペースとスタイルで学習を進められるセンスは不要。必要なのは「正しい努力」だけ【自己診断】あなたはどっち?独学が向いている人の特徴目標達成のための計画を立て、実行できる人一人でコツコツと作業を進めるのが好きな人問題解決のために自分で調べることを厭わない人未経験からイラストレーターのプロを目指す独学ロードマップStep1:環境を整えるPCペンタブレットイラスト制作ソフトStep2:教材を選んで基礎を学ぶStep3:模写で技術を盗むStep4:オリジナル作品を制作し、ポートフォリオを育てるStep5:作品を投稿し、小さな案件に挑戦するSNSで発信する小さな案件に挑戦する独学で挫折しないための3つの秘訣「毎日15分だけ」など、学習のハードルを極限まで下げるSNSやコミュニティで仲間を見つけ、進捗を共有する自分の「好き」を制作の軸にして、楽しむことを忘れないまとめ

イラストレーターの独学が「難しい」と言われる5つの理由

「独学は大変そう…」というイメージは、一体どこから来るのでしょうか。多くの独学者がつまずきやすいポイントを具体的に知ることで、事前に対策を立てることができます。

ここでは、独学が「難しい」と言われる代表的な5つの理由を見ていきましょう。

覚えるべき専門用語と機能が多すぎる

イラスト制作には、専門的な知識が不可欠です。「レイヤー」「解像度」「RGBとCMYK」「クリッピングマスク」「パース」など、聞き慣れない用語が次々と出てきます。

また、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)に代表される多機能なイラスト制作ソフトは、便利な反面、あまりにも機能が多く、初心者は「どの機能をどう使えば良いのか」を理解するだけで一苦労します。

情報量の多さに圧倒され、本格的に描き始める前につまずいてしまうケースがあることが、独学は難しいと言われる理由の一つです。

何から手をつければ良いのか分からない

いざ「勉強しよう!」と決意しても、イラスト学習の範囲は膨大です。人体の描き方、構図、色彩理論、背景美術、そしてツールの使い方など、学ぶべきことは多岐にわたります。

スクールであれば体系的なカリキュラムが用意されていますが、独学では「何から学ぶべきか」という指針がありません。そのため、手当たり次第に情報を集めてしまい、遠回りになったり、非効率な学習で時間を浪費してしまったりしがちです。

疑問点をすぐに質問・解決できる環境がない

独学における最大の壁の一つが、「分からないことをすぐに聞ける相手がいない」ことです。「この線の引き方が分からない」「ソフトのこの機能がうまく作動しない」といった小さなつまずきは、制作中に頻繁に発生します。

スクールなら講師にすぐ質問できますが、独学では自力で解決策を探さなければなりません。検索してもうまく答えが見つからず、たった一つの疑問で何時間も作業がストップし、モチベーションが大きく削がれてしまいます。

客観的なフィードバックがもらえず、成長が止まりがち

一人で描いていると、自分の作品を客観的に評価することが難しくなります。「どこが良くて、どこを改善すればもっと魅力的になるのか」という視点が欠けてしまうのです。

その結果、自分の癖や弱点に気づけないまま描き続けてしまい、「自分では頑張っているつもりなのに、なぜか上達しない」という成長の停滞期に陥りがちです。

プロからの的確なフィードバックがないと、独りよがりな作品になってしまうリスクがあります。

たった一人でのモチベーション維持が困難

イラスト制作は、基本的に孤独な作業です。特に独学の場合、進捗を共有したり、励まし合ったりする仲間がいません。上達が感じられずにスランプに陥ったとき、SNSで自分より遥かに上手い人を見て落ち込んだとき、孤独感は挫折の大きな原因となります。

誰からも評価されず、一人で黙々と机に向かい続ける強い精神力が求められるため、モチベーションを保ち続けることが極めて難しいのです。

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でも大丈夫!独学でもイラストレーターになれる3つの根拠

独学の難しさを知ると、少し不安になってしまうかもしれません。しかし、ご安心ください。

現代において、独学でプロのイラストレーターになることは決して夢物語ではありません。むしろ、独学だからこそのメリットも存在します。

良質な学習教材が無料で、または安価で手に入る

今や、インターネット上にはプロのイラストレーターが発信する良質な学習コンテンツが溢れています。YouTubeを開けば、描き方の手順を解説した動画が無数にありますし、pixivや専門サイトでは有益な講座が公開されています。

また、数千円で体系的に学べるUdemyなどのオンライン教材や、質の高い教本も数多く出版されており、スクールに通うのに比べて圧倒的に安価で専門知識を手に入れることが可能です。

自分のペースとスタイルで学習を進められる

独学の最大のメリットは、学習の全てを自分でコントロールできることです。スクールのように決まったカリキュラムに縛られる必要はありません。

「今月は人体の基礎に集中しよう」「この週末は背景の描き方を徹底的に練習しよう」など、自分の苦手分野や強化したいスキルに合わせて、柔軟に学習計画を立てられます

仕事や学業で忙しい人でも、自分のライフスタイルに合わせて学習時間を確保できるのは、独学ならではの強みです。

センスは不要。必要なのは「正しい努力」だけ

「絵はセンスがないと上手くならない」というのは、よくある誤解です。確かに感性も大切ですが、魅力的なイラストの多くは、論理的な知識と技術の積み重ねで成り立っています。

人体の構造、説得力のあるパース(遠近法)、心地よい色彩理論など、これらは全て後から学び、練習することで習得できる「技術」です。

センスを言い訳にせず、正しい知識を学び、それを元に手を動かし続ける「正しい努力」こそが、プロへの道を切り拓きます。

【自己診断】あなたはどっち?独学が向いている人の特徴

独学にはメリットもありますが、誰もが向いているわけではありません。学習を始める前に、一度立ち止まって「自分は独学に向いているタイプか?」を客観的に見つめてみましょう。以下の特徴に当てはまる人は、独学で成功する可能性が高いと言えます。

目標達成のための計画を立て、実行できる人

「1年後には仕事を受注できるレベルになる」という最終目標から逆算して、「そのために半年後にはポートフォリオを完成させる」「今月はキャラクターの全身イラストを3枚描く」「今日は腕の筋肉の構造を覚える」といったように、長期的・短期的の具体的な目標と計画を自分で立てられる人は、独学に向いています。

計画倒れにならず、着実に実行していく自己管理能力が重要です。

一人でコツコツと作業を進めるのが好きな人

イラスト制作は地道な作業の連続です。誰かに指示されるわけでもなく、一人で長時間机に向かい、試行錯誤を繰り返す必要があります。

このような孤独な作業を苦痛に感じず、むしろ「自分の世界に没頭できて楽しい」と感じられる人は、独学の適性があります。

問題解決のために自分で調べることを厭わない人

独学では、必ず「分からないこと」の壁にぶつかります。そのときに「誰か教えて」とすぐに投げ出すのではなく、「なぜだろう?」と考え、自ら書籍やインターネットで情報収集し、解決しようと試みる姿勢が何よりも大切です。

この「自走力」がある人は、問題にぶつかるたびに知識を吸収し、どんどん成長していくことができます。

未経験からイラストレーターのプロを目指す独学ロードマップ

独学で進む決意が固まったら、次はいよいよ具体的な行動計画です。闇雲に手をつけるのではなく、正しいステップを踏むことが挫折を防ぎ、最短でプロに近づくための鍵となります。

ここでは、未経験からプロのイラストレーターを目指すための、実践的な5ステップのロードマップをご紹介します。

Step1:環境を整える

まずは、イラストを描くための「武器」を揃えましょう。

PC

イラスト制作はメモリを多く消費します。最低でも8GB、快適に作業するなら16GB以上を推奨します。最初からハイスペックなものである必要はありませんが、将来を見据えてある程度のスペックは確保しておくと安心です。

ペンタブレット

PCで絵を描くための必須アイテムです。「板タブ(板状のタブレット)」と「液タブ(液晶画面付きタブレット)」がありますが、初心者の方は比較的安価な1〜2万円程度の板タブから始めるのがおすすめです。

イラスト制作ソフト

プロの現場で最も普及しているのは「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」です。有料ですが、買い切りで機能も豊富なため、本気で目指すなら最初から導入するのが近道です。まずは無料の「ibisPaint」や「MediBang Paint」で試してみるのも良いでしょう。

Step2:教材を選んで基礎を学ぶ

道具が揃ったら、いきなりすごい絵を描こうとせず、まずは徹底的に「基礎」を学びます。特に重要なのが「人体の描き方(アタリ、骨格、筋肉)」「パース(遠近法)」「色彩理論」の3つです。

教材を選ぶ際は、以下の点を意識しましょう。

・自分のレベルに合っているか
・解説が論理的で分かりやすいか
・自分の好きな絵柄か

特に、著者の絵柄が好みだと、モチベーションを維持しやすくなります。

YouTubeの講座や、評価の高い入門書(例:『やさしい人物画』『スカルプターのための美術解剖学』など)を活用して、知識をインプットしましょう。

Step3:模写で技術を盗む

基礎知識をインプットしたら、次はプロの技術を「盗む」段階です。その最も効果的な方法が「模写」です。ただし、ただ形をなぞるだけでは意味がありません。

「なぜこの線は魅力的なのか」「どうやってこの色を塗っているのか」「この構図の意図は何か」など、一つひとつを分析・考察しながら描くことが重要です。

自分の好きなイラストレーターや憧れの作品を見つけ、その技術を自分のものにするつもりで、徹底的に真似てみましょう。

Step4:オリジナル作品を制作し、ポートフォリオを育てる

模写でインプットした技術を使って、いよいよ自分だけの「オリジナル作品」を制作します。最初は簡単なもので構いません。

好きなものをテーマに、まずは一枚完成させることを目標にしましょう。 完成した作品は、必ず保管しておきます。これがあなたの「ポートフォリオ(作品集)」になります。

ポートフォリオは、イラストレーターとして仕事を得るための「名刺」です。クオリティの高いオリジナル作品を10〜20点程度揃えることを目指し、少しずつ育てていきましょう。

Step5:作品を投稿し、小さな案件に挑戦する

ある程度作品が描けるようになったら、積極的に外部との接点を持ちましょう

SNSで発信する

X(旧Twitter)やpixiv、Instagramなどに作品を投稿します。人に見られることで上達への意識が高まるだけでなく、運が良ければ仕事の依頼に繋がる可能性もあります。

小さな案件に挑戦する

「ココナラ」や「SKIMA」といったスキルシェアサービスを利用して、「SNSアイコン作成」などの比較的簡単な依頼を受けてみましょう。お金をもらって描くという経験は、プロ意識を育て、大きな自信に繋がります。

独学で挫折しないための3つの秘訣

ご紹介したロードマップを歩んでいく上で、必ず「もう辞めたい…」と思う瞬間が訪れます。そんな時にあなたの心を支えてくれる、大切なマインドセットがあります。

「毎日15分だけ」など、学習のハードルを極限まで下げる

「今日は疲れたから描きたくない…」と思う日は誰にでもあります。そこで「よし、休もう」と完全にやめてしまうと、翌日も、その次の日も休んでしまいがちです。

挫折を防ぐコツは、とにかく毎日ペンを握る習慣を途切れさせないことです。「毎日3時間描く」といった高い目標ではなく、「毎日15分だけ机に向かう」「線一本だけでも描く」など、ハードルを極限まで下げましょう

続けること自体が目的になれば、やる気がない日でも乗り越えられます。

SNSやコミュニティで仲間を見つけ、進捗を共有する

独学の最大の敵は「孤独」です。X(旧Twitter)で「#イラスト練習中」「#絵描きさんと繋がりたい」といったハッシュタグを使って、同じように頑張っている仲間を見つけましょう

互いの作品に「いいね」を付け合ったり、進捗を報告し合ったりするだけで、孤独感は驚くほど和らぎます。

他人の頑張りが刺激になり、自分のモチベーションにも火をつけてくれます。

自分の「好き」を制作の軸にして、楽しむことを忘れない

上達のための練習は時に苦しいものですが、イラスト制作の原動力は、何と言っても「描くのが楽しい」という気持ちです。

練習ばかりで苦しくなったら、一旦難しいことは忘れて、自分が本当に描きたいもの、好きなキャラクター、好きな世界観を思い切り描いてみましょう

あなたの「好き」という感情は、最強のモチベーションであり、やがて他の誰にも真似できない、あなただけの「作風」へと繋がっていきます。楽しむことを絶対に忘れないでください。

まとめ

イラストレーターの独学は、覚えることの多さや孤独感から「難しい」と感じられがちです。しかし、現代は良質な教材が安価で手に入り、正しいステップで努力すれば、誰でもプロを目指せる時代になりました。

重要なのは、「環境を整え、基礎を学び、模写とオリジナル制作を繰り返し、実践で磨く」というロードマップを着実に進めること。

そして何より、「学習のハードルを下げ、仲間を見つけ、楽しむことを忘れない」という心構えです。

独学の道は決して平坦ではありませんが、自分の力で道を切り拓いていく経験は、あなたを人としてもクリエイターとしても大きく成長させてくれるはずです。この記事を参考に、今日から小さな一歩を踏み出してみてください。

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