
クリエイターの転職活動の流れを6ステップで詳しく解説
- 更新日 : 2025/08/07


転職活動は、未来の自分を形作るための重要なプロジェクトです。しかし、何から手をつければ良いのか、どんな準備が必要なのか、不安に感じることも多いのではないでしょうか。
この記事では、クリエイターの転職活動を6つのステップに分け、目的の明確化から内定、そして円満な退社まで、具体的なアクションプランと共に徹底解説します。


転職活動の全体スケジュール

本格的な準備を始める前に、まずは転職活動がどのような流れで、どのくらいの期間がかかるのか全体像を掴んでおきましょう。
一般的に、転職活動は準備を開始してから内定まで2〜3ヶ月かかると言われています。そこから退職交渉と業務の引き継ぎに約1ヶ月かかると考えると、トータルで3〜4ヶ月程度を見込んでおくと安心です。
もちろん、これはあくまで目安です。ポートフォリオの作り込みに時間をかけたり、在職中の業務が多忙であったりすれば、期間はさらに長くなる可能性もあります。
【転職スケジュールの目安】
準備フェーズ(2週間〜1ヶ月)
・自己分析、キャリアの棚卸し
・ポートフォリオ、履歴書・職務経歴書の作成
応募・選考フェーズ(1〜2ヶ月)
・企業研究、求人応募
・面接(企業により回数は異なるが、2週間で複数社受けるイメージ)
内定・退職フェーズ(1ヶ月〜1.5ヶ月)
・内定、労働条件の確認・交渉(約1週間)
・現職の退職交渉、業務の引き継ぎ(約1ヶ月)
特に、キャリアを積んできた方ほど、現職の引き継ぎには時間を要する場合があります。
大切なのは、この全体像を把握したうえで、自分がいつまでに入社したいかを決め、そこから逆算してスケジュールを立てることです。
クリエイターの転職は「目的の明確化」から始まる

本格的な転職活動を始める前に、まずは「なぜ転職したいのか」という原点に立ち返ることが成功への鍵です。自身のキャリアに対する理想や将来像を深く掘り下げることで、進むべき道が明確になり、一貫性のある転職活動が実現できます。
なぜ転職するのか?理想を言語化する
まずは、あなたが転職を考える理由を具体的に言葉にしてみましょう。「年収を上げたい」「新しいスキルを身につけたい」「より創造的な仕事がしたい」「ワークライフバランスを改善したい」など、動機は人それぞれです。
これらを正直に書き出すことで、企業選びの譲れない軸が見えてきます。
ポジティブな動機だけでなく、「今の職場のここが不満だ」というネガティブな理由も、裏を返せば「次の職場に求める条件」になります。
3〜5年後の自分は?キャリア視点で将来像を描く
目の前の転職だけでなく、3年後、5年後に自分がどのようなクリエイターになっていたいかを想像してみましょう。
例えば、「アートディレクターとしてチームを率いたい」「フリーランスとして独立したい」「特定の分野のスペシャリストとして名を馳せたい」など、具体的なキャリアプランを描くことが重要です。
この将来像から逆算することで、今、どのようなスキルや経験を積むべきか、どんな環境に身を置くべきかが明確になります。
ステップ1:準備フェーズ

目的が明確になったら、次はいよいよ転職活動の準備に取り掛かります。ここでは、これまでのキャリアを整理し、客観的に自分を評価することから始めます。
しっかりとした土台を築くことが、この後のプロセスをスムーズに進めるための秘訣です。
これまでの実績・スキルの「棚卸し」を行う
まずは、これまでのキャリアで関わったプロジェクト、制作物、そして身につけたスキルをすべて書き出してみましょう。どんな小さなことでも構いません。
「担当した業務内容」「その中で自分が果たした役割」「工夫した点」「得られた成果(売上への貢献、業務効率化など)」を具体的に整理します。
この「棚卸し」が、後の職務経歴書やポートフォリオ作成の基礎となります。
転職活動を始めるのに最適なタイミングとは?
転職活動のタイミングは、求人が増える時期や、自身の仕事の状況が一段落する時期を考慮すると良いでしょう。一般的に、企業の採用活動が活発になるのは年度末を控えた1月〜3月や、下半期が始まる9月〜10月と言われています。
しかし、クリエイター職は通年で募集があることも多いため、自身の準備が整ったタイミングで始めるのがベストです。在職中に活動するのか、退職後に集中するのか、それぞれのメリット・デメリットを考え、計画を立てましょう。
転職エージェントを活用するメリット・デメリット
転職エージェントは、非公開求人の紹介や選考対策のアドバイスなど、転職活動を力強くサポートしてくれる存在です。特にクリエイター専門のエージェントは、業界の動向や企業の内情に詳しく、ポートフォリオへのフィードバックも期待できます。
転職エージェントを活用するメリット
【非公開求人やマッチ度の高い求人の紹介】
エージェントは、一般には公開されていない「非公開求人」を多数保有しています。
また、あなたのスキルやキャリアプランをヒアリングした上で、数多くの求人の中からマッチ度の高い企業を厳選して紹介してくれるため、効率的に求人を探すことができます。
【客観的なアドバイスと選考対策】
キャリアのプロである担当者が、あなたの強みや市場価値を客観的に分析してくれます。
職務経歴書やポートフォリオへの具体的なフィードバック、企業ごとの面接対策など、選考通過率を高めるための手厚いサポートを受けられる点は大きなメリットです。
【面倒な調整や交渉の代行】
面接の日程調整や、給与・待遇といったデリケートな条件交渉も代わってエージェントが行ってくれます。在職中で忙しい方でも、スムーズに転職活動を進めることが可能です。
デメリットと注意点
【担当者とのミスマッチ】
担当者があなたの希望やスキルを深く理解し、納得のいく転職活動を進めるためには、コミュニケーションが不可欠です。もし、相性が合わないと感じたり、話しにくいと感じたりした場合は、担当者の変更を申し出るか、他のエージェントの利用を検討しましょう。あなたの転職活動を成功させるためにも、信頼できるパートナーを見つけることが大切です。
ステップ2:書類作成フェーズ

あなたのスキルと情熱を企業に伝えるための有効な手段となるのが、応募書類です。履歴書や職務経歴書はもちろん、クリエイターにとって最も重要なポートフォリオの作成に、戦略的に取り組みましょう。
採用担当者の視点を意識した履歴書と職務経歴書の作成
履歴書はあなたのプロフィールを、職務経歴書はこれまでの仕事内容と実績を伝えるための書類です。
採用担当者は、これらの書類から「自社で活躍してくれる人材か」を判断します。単に経歴を羅列するのではなく、応募する企業の求める人物像を意識し、それに合致するスキルや経験を強調して記載することが重要です。
クリエイターの生命線「ポートフォリオ」の戦略的作り方
ポートフォリオは、クリエイティビティとスキルを証明する最も強力なツールです。単なる作品集ではなく、「自分に何ができるのか」「どんな貢献ができるのか」を伝えるためのプレゼンテーション資料と捉えましょう。
応募する企業や職種に合わせて、掲載する作品の順番や見せ方を工夫する「戦略」が求められます。
では、具体的にどのように作成すれば良いのでしょうか。以下の5つのステップで、採用担当者の心に響く戦略的なポートフォリオを完成させましょう。
コンセプト設計
まず「誰に、何を伝えたいポートフォリオなのか」を定義します。応募先企業のテイストや、アピールしたい自分の強みに合わせて、ポートフォリオ全体の方向性を固めます。
作品の選定
次に、コンセプトに沿って掲載する作品を選びます。キャリアの代表作や、応募先の志向に合った作品を10〜20点程度に絞り込みましょう。クオリティはもちろん、多様なスキルセットを見せられるようなバランスも重要です。
作品情報の整理
各作品について、採用担当者が見て理解できるよう情報を補足します。最低でも「制作時期」「担当範囲」「使用ツール」「制作意図」「成果」は明記しましょう。
構成の決定
見る人がストーリーを追いやすいように、構成を考えます。最も自信のある作品を最初に配置する、作品をカテゴリ分けする、時系列に並べて成長を示すなど、意図を持った順序で並べることが大切です。
媒体の選択
最後に、ポートフォリオをどの形式で見せるかを決めます。手軽に更新できるWebサイト、送付しやすいPDF、手触りや質感を伝えられる紙媒体など、それぞれのメリットを考慮し、自分を最も効果的に見せられる媒体を選んでデザインに落とし込みます。
【職種別】ポートフォリオでアピールすべきポイント
ポートフォリオでアピールすべきポイントは職種ごとによって異なります。
【Webデザイナー】
デザインスキルに加え、UI/UXの設計意図やコーディングスキルもアピール
【グラフィックデザイナー】
コンセプトメイキングや、印刷物に関する知識、ブランディングへの貢献度を示す
【ディレクター】
プロジェクト全体の企画・設計力、進行管理能力、課題解決能力を具体的な実績と共に示す
【プロデューサー】
事業計画や予算管理、チーム組成など、プロジェクトをビジネスとして成功させた実績をアピール
【マーケター】
担当した施策と、分析に基づいた戦略、そして具体的な成果(CVR、売上など)を数値で示す
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ステップ3:応募フェーズ

準備が整ったら、いよいよ応募です。やみくもに応募するのではなく、しっかりと企業研究を行い、自分に合った企業を見極めることが、満足のいく転職を実現するための近道です。
効果的な企業研究の進め方
企業の公式ウェブサイトや採用ページはもちろん、SNS、プレスリリース、代表のインタビュー記事などにも目を通し、事業内容だけでなく、企業文化やビジョン、働く人の雰囲気まで深く理解しましょう。
その企業が手がけた制作物やサービスを実際に利用してみるのも有効です。その上で、「自分のスキルをどう活かせるか」「この環境で何を実現したいか」を具体的に考えます。
ステップ4:面接フェーズ

書類選考を通過すれば、次はいよいよ面接です。スキルや実績はもちろん、「一緒に働きたい」と思ってもらえるような人柄やコミュニケーション能力もアピールする場です。
ポートフォリオを魅力的にプレゼンテーションするコツ
面接官にポートフォリオを見せながら、自身の作品についてプレゼンテーションを求められる機会が多くあります。
単に「これを作りました」で終わらせず、「どのような課題に対し、どう考え、どうアウトプットしたか」という思考のプロセスを論理的に説明しましょう。
特に、チームでの役割や制作における貢献度を具体的に話せると、再現性の高いスキルを持っていることの証明になります。
人柄とチームフィットを伝えるための頻出質問対策
「自己紹介をしてください」「転職理由を教えてください」「あなたの長所・短所は?」といった定番の質問には、必ず自分なりの答えを用意しておきましょう。
大切なのは、用意した答えを暗唱するのではなく、自分の言葉で、正直に、そしてポジティブな印象を与えるように話すことです。
さらに重要なのは、その回答に対する「なぜ?」という深掘り質問への準備です。面接官は、あなたの回答に対して「それはなぜですか?」「具体的にどういうことですか?」といった“2番目の質問”を投げかけることで、あなたの思考の深さや人柄の本質を見極めようとします。ここで準備が不足していると、説得力のない回答になってしまいがちです。
質問への回答だけを用意するのではなく、なぜその回答を導き出したのか、その根拠となる経験や考えまで明確に説明できるように準備しておきましょう。
チームでの働き方や、困難をどう乗り越えたかといった具体的なエピソードを交えて話すことで、あなたの人柄がより深く、魅力的に伝わります。

逆質問で意欲と理解度を示す方法
面接の最後に設けられる「何か質問はありますか?」という時間は、絶好のアピールチャンスです。「特にありません」は避けましょう。
企業研究で気になった点や、入社後の働き方について具体的に質問することで、企業への深い理解と高い入社意欲を示すことができます。「もし入社させていただけた場合、どのようなスキルを伸ばしていくことを期待されますか?」といった質問も有効です。
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ステップ5:内定・交渉フェーズ

努力が実り、内定の通知を受け取ったら、転職活動もいよいよ大詰めです。喜びと同時に、提示された条件を冷静に確認し、必要であれば交渉する重要なフェーズです。
内定通知を受け取ったら確認すべきこと
内定通知は、口頭だけでなく、必ず「労働条件通知書」などの書面で受け取りましょう。確認すべき主な項目は以下の通りです。
・業務内容
・給与(基本給、手当、賞与など)
・勤務地、勤務時間、休日
・契約期間
・試用期間の有無とその条件
不明な点があれば、遠慮なく採用担当者に確認しましょう。
給与・待遇の交渉を有利に進めるためのポイント
もし提示された条件に納得できない点があれば、交渉の余地があります。交渉を切り出す際は、まず内定への感謝を伝えた上で、希望する条件とその根拠を具体的に、かつ謙虚に伝えましょう。
「現職の給与が〇〇円であること」「自身のスキルや実績が市場価値として〇〇円程度であると考えられること」などを客観的なデータと共に示すと、交渉がスムーズに進みやすくなります。
ステップ6:退職・入社準備フェーズ

内定を承諾し、入社日が決まったら、現在の職場を円満に退職するための準備を始めます。立つ鳥跡を濁さず、感謝の気持ちを持って次の職場へと進みましょう。
トラブルを避ける「円満退社」の進め方と引き継ぎのコツ
退職の意思は、まず直属の上司に伝えます。法律上は2週間前までの申し出で退職できますが、業務の引き継ぎや後任の採用などを考慮し、1〜2ヶ月前には伝えるのが一般的です。
引き継ぎは、後任者が困らないよう、業務内容や進捗状況、関係者の連絡先などをまとめた資料を作成し、丁寧に行いましょう。最終出社日には、お世話になった方々への挨拶も忘れずに。
新しい職場への入社準備
新しい職場から求められた書類(年金手帳、雇用保険被保険者証など)は、期日までに提出しましょう。
また、担当する業務内容に関連する書籍を読んだり、使用するツールについて予習したりと、スムーズに業務を開始できるような準備をしておくと、良いスタートを切ることができます。
体調を整え、万全の状態で初日を迎えましょう。
まとめ
クリエイターの転職活動は、単に職場を変えるだけでなく、自身のキャリアを見つめ直し、未来をデザインするクリエイティブな作業そのものです。
本記事で紹介した6つのステップを参考に、一つひとつのプロセスに丁寧に取り組むことで、きっとあなたに最適な場所が見つかるはずです。この記事が、あなたの戦略的な一歩を後押しできれば幸いです。


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