
Webデザイナーの就職は厳しい?その理由と具体的な対策を徹底解説
- 更新日 : 2010/04/22


「Webデザイナー」という職業に憧れを抱きつつも、「就職は厳しい」という声を聞いて不安を感じていませんか?
確かに、Webデザイナーを取り巻く環境は変化しており、以前よりも厳しい側面があるのは事実です。しかし、それはWebデザイナーへの道が閉ざされているという意味ではありません。
本記事では、Webデザイナーの就職が「厳しい」と言われる理由を深掘りし、Webデザイナーになるための実践的な対策を詳しく解説します。


なぜWebデザイナーの就職は「厳しい」と言われるのか?
Webデザイナーという仕事は、クリエイティブで魅力的な反面、「就職が難しい」「競争が激しい」といった声も後を絶ちません。
なぜ、これほどまでに「厳しい」と言われるのでしょうか?その背景には、いくつかの複合的な要因が存在します。具体的な理由を一つずつ詳しく見ていきましょう。
Webデザイナー志望者の急増と激しい競争
近年、働き方の多様化やデジタルスキルの重要性の高まりを受け、Webデザイナーを目指す人が急増しています。オンラインスクールや学習コンテンツが充実し、未経験からでも比較的学習を始めやすい環境が整ったことも、志望者増加に拍車をかけています。
その結果、特に未経験者や実務経験の浅い層においては、求人に対する応募者が殺到し、採用の椅子を巡る競争が激化しているのです。
多くのライバルの中から選ばれるためには、他の志望者との差別化を図る必要があり、これが「就職が厳しい」と感じさせる大きな要因の一つとなっています。
企業側も、多数の応募者の中からより優秀な人材を見極めようとするため、選考基準が厳しくなる傾向にあります。
求められる専門スキル・知識の多様化と高度化
かつてのWebデザイナーは、主にWebサイトの見た目(デザイン)を作成することが主な役割でした。しかし、テクノロジーの進化やユーザーの要求の変化に伴い、現代のWebデザイナーに求められるスキルセットは格段に多様化・高度化しています。
単に美しいデザインを作成できるだけでなく、以下のような幅広い知識とスキルが求められるようになっています。
・UI/UXデザインに関する深い理解と実践スキル
・HTML、CSS、JavaScriptといった言語の知識
・デザインを正確にWeb上で再現し、動きのある表現を加える能力
・WordPressなどのCMSを扱えるスキル
・クライアントが自身で更新しやすいサイト構築能力
・様々なデバイスで最適に表示されるWebサイトを制作するレスポンシブデザインスキル
・SEO対策されたWebサイトを作成する能力
・Figma、Photoshop、Illustratorといったデザインツールを使いこなすスキル
これらのスキルをすべて高いレベルで習得するには、相応の時間と努力が必要です。特に、未経験から短期間でこれらの要求に応えるのは容易ではありません。
企業が求めるスキルレベルと応募者のスキルレベルにギャップが生じやすいことも、「Webデザイナーになるのは厳しい」と言われる理由です。
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Webデザイナーに必要なスキルセット一覧!将来性高いスキルと最低限必要なスキル
未経験者・実務経験なしの「壁」
多くの企業、特に即戦力を求める企業は、採用において実務経験を重視します。これは、実務経験者が持つ以下のような点を評価するためです。
・実際のプロジェクトを通して培われた問題解決能力や応用力
・チームでの開発プロセスやクライアントとのやり取りなど、実務の流れを理解していること
・いちから業務を教える必要がなく、比較的スムーズに業務に参加できること
そのため、ポートフォリオの質が高くても、実務経験がないというだけで選考で不利になるケースは少なくありません。
「未経験者歓迎」の求人であっても、実際には何らかの制作経験を持つ応募者や、実務経験はないもののポテンシャルの高さを強くアピールできる人材が優先される傾向があります。
この「実務経験の壁」は、未経験者にとって乗り越えるべき大きな課題です。
AIの台頭と求められるスキルの変化
近年、「Webデザイナーの仕事はAIに奪われるのではないか?」という懸念の声も聞かれます。
確かに、テンプレート的なデザイン作成や単純作業の一部はAIに代替される可能性はあります。しかし、これはWebデザイナーの仕事がなくなることを意味するわけではありません。むしろ、AIにはできない、より高度なスキルが求められるようになるということです。
AIの台頭は、Webデザイナーに対して、単なる「作業者」ではなく、より「思考するクリエイター」「問題解決者」であることを求めていると言えるでしょう。この変化に対応できないデザイナーにとっては、厳しい状況が訪れる可能性があります。
厳しい状況を乗り越え、Webデザイナーになるための具体的な対策
Webデザイナーの就職が「厳しい」と言われる理由を見てきましたが、ここで諦める必要は全くありません。厳しい状況は、裏を返せば、正しい方向性で努力をすれば、ライバルと差をつけられるチャンスでもあるのです。
ここでは、厳しい競争を勝ち抜き、憧れのWebデザイナーになるための具体的な対策を紹介します。
必須スキルを効率的に習得する方法
Webデザイナーに求められるスキルは多岐にわたりますが、やみくもに学ぶのではなく、効率的に、かつ着実にスキルを身につけることが重要です。
主な学習方法には、独学、スクール・専門学校の利用、公共職業訓練の活用があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選びましょう。
独学
書籍やオンライン学習サイト(例:Progate、Udemy)、YouTubeなどを活用して、自分のペースで学習を進める方法です。
【メリット】
・費用を抑えられる
・時間や場所に縛られずに学習できる
【デメリット】
・モチベーション維持が難しい
・疑問点をすぐに解決できない
・学習の方向性が偏る可能性がある
・体系的な知識を身につけにくい
・フィードバックを得にくい
【ポイント】
自己管理能力と継続力が必要です。学習計画を立て、目標を設定し、定期的に進捗を確認することが成功の鍵となります。ポートフォリオ作成を意識し、インプットとアウトプットをバランス良く行いましょう。
スクール・専門学校
Webデザインに特化したカリキュラムが用意されており、講師から直接指導を受けられる方法です。
【メリット】
・体系的にスキルを習得できる
・現役デザイナーの講師から実践的な知識やフィードバックを得られる
・一緒に学ぶ仲間ができる
・就職サポートを受けられる場合がある
【デメリット】
・費用が高額になる場合が多い
・通学やオンライン授業の時間が固定される
【ポイント】
カリキュラムの内容、講師の質、就職実績、サポート体制などを十分に比較検討しましょう。無料相談や体験レッスンを活用するのもおすすめです。投資に見合うリターンを得られるか、しっかり見極めることが大切です。
公共職業訓練
国や自治体が、求職者を対象に実施している職業訓練制度です。Webデザイン関連のコースも多数開講されています。
【メリット】
・原則として受講料が無料(テキスト代等は自己負担)
・失業保険を受給しながら学べる場合がある
・就職サポートを受けられる
【デメリット】
・誰でも受講できるわけではなく、選考がある(入校試験や面接)
・開講時期や期間が決められている
・カリキュラムの内容が最新トレンドに追いついていない場合もある
【ポイント】
ハローワークで相談し、受講資格やコース内容を確認しましょう。費用を抑えつつ、基礎から体系的に学びたい求職者にとっては有力な選択肢となります。
採用担当者に響くポートフォリオ作成術
ポートフォリオは、あなたのスキルやセンス、そしてデザインに対する情熱を採用担当者に伝えるための、最も重要なツールです。特に未経験者の場合は、職務経歴書だけでは伝わらない「実力」を証明する唯一の手段と言っても過言ではありません。
以下の点を意識し、質の高いポートフォリオを作成しましょう。
制作プロセスを見せる
完成したデザインだけでなく、そのデザインに至るまでの過程(プロセス)を示すことが重要です。
どのような課題に対し、どのような思考を経てそのデザインに至ったのかを示すことで、あなたの問題解決能力や論理的思考力、デザインに対する取り組み方をアピールできます。
多様性を示す
コーポレートサイト、ランディングページ、ECサイト、バナー広告、ロゴデザインなど、様々な種類の制作物を掲載することで、対応力の幅広さを示しましょう。
可能であれば、PCサイトだけでなく、スマートフォン表示(レスポンシブデザイン)も意識した作品を含めると、現在のWeb制作現場のニーズに応えられることをアピールできます。
ポートフォリオサイト自体の質を高める
ポートフォリオをWebサイト(ポートフォリオサイト)として公開する場合、そのサイト自体のデザインや使いやすさも評価の対象となります。見やすく、整理されており、あなた自身のセンスが伝わるデザインかを念頭に作成しましょう。
常に最新の状態に保つ
ポートフォリオは一度作ったら終わりではありません。新しいスキルを習得したり、より質の高い作品ができたら、随時追加・差し替えを行いましょう。
古い作品や自信のない作品は、思い切って削除することも大切です。常に最新の状態に保つことで、あなたの成長意欲や現在のスキルレベルを効果的にアピールできます。
効果的な就職・転職活動の進め方
スキルを磨き、ポートフォリオを準備したら、本格的な就職・転職活動を始めましょう。ここでも、戦略的に進めることが成功の鍵となります。
ターゲットを絞った応募
企業ごとに、求める人物像やスキルセットは異なります。
まずは、企業の事業内容、制作実績、企業文化などを理解した上で、「なぜこの企業で働きたいのか」を明確にすることが大切です。それに合わせて応募書類や面接でのアピール内容をカスタマイズすることで、熱意が伝わりやすくなり、採用の可能性が高まります。
企業のWebサイト、採用ページ、SNS、社員インタビュー記事、転職口コミサイトなどを活用して、リサーチしましょう。
転職エージェントの活用
転職エージェントは、求職者と企業をマッチングさせる専門家です。IT・Web業界に強いエージェントや、クリエイティブ職専門のエージェントを選ぶと、より的確なサポートを受けやすくなります。
複数のエージェントに登録し、相性の良い担当者を見つけるのも良いでしょう。
求人サイト・スカウトサービスの活用
大手求人サイトや、Web・クリエイティブ業界に特化した求人サイトを積極的に活用しましょう。定期的に求人情報をチェックし、気になる求人があれば早めに応募することが大切です。
プロフィール情報は詳細に、かつ魅力的に記載し、ポートフォリオへのリンクも忘れずに設定しましょう。
面接対策の徹底
書類選考を通過したら、次は面接です。面接は、あなたのスキルや経験だけでなく、人柄やコミュニケーション能力、企業との相性を見極める場です。
詳しい面接対策については、「Webデザイナー採用面接|企業分析の活かし方や志望動機のポイントなど徹底解説」の記事を参考にしてください。
Webデザイナーの将来性と今後の需要はどうなる?
「Webデザイナーの就職は厳しい」という話と合わせて、「AIに仕事が奪われるのでは?」「将来性はあるの?」といった不安を抱く方もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、Webデザイナーの需要が完全になくなることは考えにくいです。
ただし、時代に合わせて求められる役割やスキルは変化していきます。ここでは、Webデザイナーの将来性と今後の需要について解説します。
需要は続く?Webデザイナーが求められる理由
スキルを持ったWebデザイナーに対する需要は、今後も続くと考えられています。企業や組織にとって、Webサイトやアプリケーションを通じた情報発信、マーケティング、顧客とのコミュニケーション、サービス提供は、ますます重要になっています。
特に、ユーザー体験(UX)の質がビジネスの成否を左右するようになり、単に見た目が良いだけでなく、ユーザーのニーズを満たし、ビジネス目標の達成に貢献できるデザインの重要性が高まっています。
したがって、Webデザイナーの需要が完全になくなるわけではなく、むしろその需要の質が変化していると捉えるべきでしょう。
今後求められるWebデザイナー像とスキル
今後、特に重要になると考えられる要素は以下の通りです。
高度な専門性
デザイン、コーディング、UI/UXなど、幅広いスキルを持つことは基本ですが、それに加えて特定の分野で深い専門性を持つことが強みになります。
例えば、UI/UXデザイン、ECデザイン、アクセシビリティに配慮したデザインなど、得意分野を深掘りし、「〇〇ならこの人」と言われるような専門性を確立することが、市場価値を高める鍵となります。
コミュニケーションと協調性
Webサイトの制作は、チームで行われることがほとんどです。クライアントの要望を正確に汲み取り、デザイナー以外の職種と円滑に連携し、プロジェクトを成功に導くための高いコミュニケーション能力と協調性が不可欠です。
自分のデザイン意図を論理的に説明したり、建設的なフィードバックを受け入れたりする能力も含まれます。
継続的な学習意欲
Web業界は技術やトレンドの変化が非常に速い分野です。昨日まで主流だったツールや技術が、明日には古くなっている可能性もあります。
そのため、新しいデザインツール、開発言語、デザイン手法、AI技術などを常にキャッチアップし、学び続ける意欲と姿勢が不可欠です。
セミナーに参加したり、技術ブログを読んだり、オンラインコミュニティで情報交換したりするなど、能動的に学習を続けることが、長期的に活躍するために求められます。
まとめ
Webデザイナーの就職が「厳しい」と言われる背景には、志望者の増加、求められるスキルの高度化、実務経験の壁、そしてAIの台頭といった複合的な要因があります。これは紛れもない事実であり、楽観視はできません。
しかし、この記事で解説してきたように、「厳しい」からといって、Webデザイナーになる道が閉ざされているわけでは決してありません。
正しい方向性でスキルを習得し、熱意と工夫を込めたポートフォリオを作成し、インターンシップやクラウドソーシングなどを活用して積極的に経験を積み、戦略的に就職活動を進めることで、必ず道は開けます。
就職後もマーケティングの視点を持ち、コミュニケーション能力を磨き、常に新しい技術やトレンドを学び続けることで、変化の激しいWeb業界で長く活躍できるデザイナーへと成長していくことができるでしょう。


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