
デザイナーとは?仕事内容・種類・必要なスキルを徹底解説
- 更新日 : 2025/08/17


私たちの身の回りには、スマートフォンアプリの使いやすい画面、毎日着る服、お気に入りのカフェの居心地の良い空間など、数多くの「デザイン」で溢れています。これらのデザインは、私たちの生活を豊かにし、ビジネスを成長させる重要な役割を担っています。
本記事では、「デザイナー」という職業に興味を持つ方のために、仕事の全体像を徹底的に解説します。


デザイナーとは?

デザイナーの最も本質的な役割は、「課題を解決し、価値を創造するための設計を行うこと」です。
単に見た目を美しく装飾するだけでなく、クライアントやユーザーが抱える課題を深く理解します。そして、課題の解決策を具体的な「形」として提案・設計するのが仕事です。
デザイナーの一般的な仕事の流れ

デザイナーの仕事は、一般的に以下のような流れで進みます。
ヒアリング・リサーチ
クライアントが何を求めているのか、プロジェクトの目的は何かを詳しく聞き取ります。また、ターゲットとなるユーザーや市場についても調査し、課題の本質を探ります。
コンセプト設計
ヒアリングとリサーチで得た情報をもとに、デザインの方向性やコンセプトを固めます。「誰に、何を、どのように伝えるか」という設計図を作る、最も重要な工程です。
アイデアの具体化(デザイン制作)
コンセプトに基づき、スケッチやワイヤーフレーム(設計図)、ビジュアルデザインなど、具体的な形に落とし込んでいきます。ここで初めて、IllustratorやPhotoshopなどのツールを使った制作作業が発生します。
フィードバックと修正
制作したデザインをクライアントやチームに提案し、フィードバックを受けます。より良いものにするために、客観的な意見を取り入れながら修正を繰り返します。
納品・実装
完成したデザインデータを納品します。Webサイトであればエンジニアに引き継いで実装され、紙媒体であれば印刷会社に入稿されます。
時代と共に変化するデザイナーの役割
かつてデザイナーの主な役割は、ポスターや製品の見た目を美しくし、人々の注目を集めることでした。もちろん、その重要性は今も変わりません。
しかし、社会のデジタル化が進むにつれて、ビジネスの上流工程から関わり、事業全体の「価値創造」に貢献することも期待されるようになってきています。
例えば、Webサービスにおいて「ユーザーが直感的に操作できる画面(UI)を設計し、快適な利用体験(UX)を提供する」ことは、顧客満足度やサービスの継続利用率に直結する重要なミッションです。
さらに、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進においても、デザイナーの視点は不可欠です。
複雑な業務システムを誰もが使いやすい形にデザインし直したり、デジタルを活用した新しい顧客体験を設計したりします。ビジネス課題そのものをデザインの力で解決する役割を担うようになっています。
デザイナーの種類と必要なスキル

「デザイナー」と一口に言っても、その活躍の場は多岐にわたります。ここでは、代表的なデザイナーの種類を5つに分け、それぞれの具体的な仕事内容と求められるスキルについて解説します。
Web・デジタル系のデザイナー
Webサイトやスマートフォンアプリなど、デジタルメディアのデザインを手がけます。現代において最も需要が高まっている分野の一つです。
【主な職種】
・Webデザイナー
・UI/UXデザイナー
・CGデザイナーなど
【仕事内容】
・Webサイト全体のデザイン
・アプリの画面設計
・アイコンやバナーの作成
・ユーザーの行動分析とそれに基づく改善など
【使用するデザインツール】
・Figma
・Adobe XD
・Sketch
・Photoshop
・Illustrator
【必要なスキル・知識】
・UI/UXデザインの原則
・HTML/CSSの基礎知識
・アクセシビリティへの配慮
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紙媒体・グラフィック系のデザイナー
ポスター、雑誌、書籍、パンフレット、商品のパッケージ、ロゴなど、主に印刷物をデザインします。情報を整理し、視覚的に分かりやすく伝える能力が求められます。
【主な職種】
・グラフィックデザイナー
・DTPデザイナー
・エディトリアルデザイナーなど
【仕事内容】
・広告や雑誌のレイアウトデザイン
・企業やブランドのロゴ制作
・商品パッケージのデザイン
・名刺やパンフレットの作成など
【デザインツール】
・Illustrator
・Photoshop
・InDesign
【必要なスキル・知識】
・DTP(Desktop Publishing)
・タイポグラフィ(文字のデザイン)
・色彩理論
・印刷に関する知識
プロダクト・工業製品系のデザイナー
自動車や家電、家具、文房具など、私たちの生活に身近な「モノ」のデザインを担当します。美しさに加え、機能性や安全性、製造コストなどが複雑に絡み合う分野です。
【主な職種】
・プロダクトデザイナー
・工業デザイナー
・カーデザイナーなど
【仕事内容】
・製品のコンセプト立案
・スケッチ
・2D/3D CADを用いた図面作成
・モックアップ(模型)制作
・素材や生産技術の検討など
【デザインツール】
・CADソフト(Rhinoceros、SolidWorksなど)
・3Dレンダリングソフト
【必要なスキル・知識】
・人間工学
・素材や加工技術に関する知識
・図学
空間・建築系のデザイナー
住宅や店舗、オフィス、公共施設など、人々が過ごす「空間」をデザインします。利用者の目的や動線を考慮し、快適で機能的な空間を創り出す仕事です。
【主な職種】
・インテリアデザイナー
・空間デザイナー
・建築デザイナー
・ディスプレイデザイナーなど
【仕事内容】
・内装のコンセプト設計
・レイアウトプランの作成
・什器や照明の選定
・建築物の設計
・ショーウィンドウの飾り付けなど
【デザインツール】
・Vectorworks
・AutoCAD
・SketchUp
【必要なスキル・知識】
・建築基準法などの関連法規
・建材や照明に関する知識
・空間構成力
ファッション系のデザイナー
衣服や靴、バッグ、アクセサリーといったファッションアイテムをデザインします。トレンドを捉える感性と、独自の世界観を表現する創造力が求められます。
【主な職種】
・ファッションデザイナー
・テキスタイルデザイナー
・パタンナーなど
【仕事内容】
・シーズンごとのコンセプト立案
・デザイン画の作成
・素材(テキスタイル)の選定・開発
・型紙(パターン)の作成
・サンプル制作のディレクションなど
【デザインツール】
・Illustrator
・Photoshop
【必要なスキル・知識】
・服飾史
・素材に関する知識
・縫製やパターンに関する専門技術
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未経験からデザイナーになるには?必須の4ステップ

デザイナーは専門職ですが、文系・理系問わず、未経験からでも目指すことが可能です。
ここでは、デザイナーになるための最も現実的で重要な4つのステップをご紹介します。正しい手順を踏むことで、着実に夢に近づくことができます。
Step1:必要な知識とスキルを学ぶ
まずは、デザインの基礎知識とスキルを身につけることから始まります。学習方法は主に以下の3つです。
どの分野のデザイナーを目指すかによって学ぶべき内容は異なります。しかし、配色やレイアウト、タイポグラフィといった「デザインの四大原則」は共通の基礎となります。
独学
書籍やオンライン学習サービス(Udemyなど)を活用する方法。コストを抑えられますが、強い意志と自己管理能力が必要です。
デザインスクール
短期間で体系的に、実践的なスキルを学べます。講師から直接フィードバックをもらえる点や、就職サポートが充実している点が大きなメリットです。
大学・専門学校
基礎からじっくりと時間をかけて学べます。デザイン理論や歴史的背景なども含めて深く探求したい人向けです。
Step2:デザインツールを習得する
デザイナーにとって、デザインツールはアイデアを形にするための「武器」です。数あるツールの中でも、特に以下の3つは現代のデザイナーにとって「三種の神器」と言えるでしょう。
Photoshop
写真の加工・編集が得意なツールです。Webサイトに掲載する画像の作成や、複雑なグラフィック表現に使われます。
Illustrator
ロゴやイラスト、図形など、拡大・縮小しても劣化しない画像の作成などに使用します。印刷物のデザインで必須のツールです。
Figma
WebサイトやアプリのUIデザイン、プロトタイピング(動作確認できる試作品)作成に特化したツールです。複数人での共同編集ができることが特徴で、Web・デジタル系の現場で急速に普及しています。
Step3:自分の「顔」となるポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは、自分のスキルや実績を証明するための「作品集」です。デザイナーの就職・転職活動において、履歴書や職務経歴書以上に重要視されます。
ポートフォリオには、ただ完成品を並べるだけでは不十分なので、以下を意識しましょう。
・作品のクオリティ
・制作の意図・目的
・担当範囲
未経験の場合は、架空のWebサイトやアプリ、ロゴなどを自主制作してポートフォリオに掲載しましょう。その際も「誰の、どんな課題を解決するために作ったのか」という目的意識を持つことが大切です。
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Step4:実務経験を積む
知識とツール、そしてポートフォリオが揃ったら、いよいよ実務経験を積むステップです。
就職・転職
デザイン制作会社や事業会社のデザイン部門への就職を目指します。未経験者を採用している企業や、アシスタントから始められる求人を探しましょう。
副業・フリーランス
クラウドソーシングサイト(クラウドワークス、Lancersなど)で、バナー作成やロゴデザインといった、比較的小さな案件から挑戦するのも一つの手です。実績を積み重ねることで、より大きな仕事につながります。
インターンシップ
学生や若手社会人であれば、インターンシップに参加して現場の空気を肌で感じるのも良い経験になります。
デザイナーのやりがいと大変なこと

どんな仕事にも、輝かしい瞬間と乗り越えるべき困難があります。デザイナーという仕事も例外ではありません。ここでは、デザイナーが感じる大きなやりがいと、直面しがちな大変さの両面をリアルにお伝えします。
【やりがい】アイデアが形になり、誰かの心を動かす喜び
デザイナーの最大のやりがいは、頭の中にあった漠然としたアイデアが、試行錯誤を経て具体的な「形」になり、世に出ていく瞬間に立ち会えることです。
自分がデザインしたWebサイトを通じてユーザーが情報を得たり、手がけた商品パッケージを嬉しそうに手に取る人を見かけたり、設計した空間で人々が楽しそうに過ごしていたり。
自分の仕事が誰かの役に立ち、心を動かし、生活を少しでも豊かにしていると実感できた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。
クライアントから「おかげで売上が上がったよ、ありがとう」と感謝されることも、大きな達成感につながります。
【乗り越えるべき壁】納期、クライアントワーク、絶え間ない学習
一方で、デザイナーには乗り越えるべき壁もあります。
納期との戦い
クリエイティブな仕事ですが、必ず締め切りが存在します。限られた時間の中で最大限のクオリティを発揮するための、厳しいスケジュール管理能力が求められます。
クライアントワークの難しさ
自分の作りたいものと、クライアントの要望が必ずしも一致するとは限りません。相手の意図を正確に汲み取り、客観的な視点で最適なデザインを提案する力が求められます。また、時には粘り強く交渉するコミュニケーション能力も必要です。
絶え間ない学習
デザインのトレンドや新しいツールは、日々目まぐるしく変化します。常にアンテナを張り、新しい知識や技術をインプットし続ける学習意欲がなければ、第一線で活躍し続けることは難しいでしょう。
デザイナーのキャリアパスと将来性
デザイナーとしてキャリアをスタートさせた後、どのような道が拓けているのでしょうか。また、AIの進化が著しい現代において、デザイナーの将来性はどうなるのでしょうか。ここでは、デザイナーの未来について考えていきます。
スペシャリスト、マネージャー、フリーランスという多様な道
デザイナーのキャリアパスは一つではありません。主に以下のような道が考えられます。
スペシャリスト
特定の分野(例:UIデザイン、モーショングラフィックスなど)のスキルを深く追求し、その道の第一人者を目指すキャリア。常に最先端の技術と知識が求められます。
マネージャー
アートディレクターやクリエイティブディレクターとして、チーム全体を率いる役割。個々のデザイン制作だけでなく、プロジェクト全体の品質管理やコンセプト設計、メンバーの育成などを担います。
フリーランス(独立)
会社に所属せず、個人で仕事を受ける働き方。実力さえあれば、時間や場所にとらわれず、自分の裁量で仕事を選べる自由度の高さが魅力です。
AIは仕事を奪う?これからのデザイナーに求められること
「AIにデザインの仕事は奪われるのでは?」という不安の声をよく耳にします。確かに、AIによる画像生成やデザインパターンの自動提案など、デザイン制作の一部をAIが担う時代はすでに来ています。
しかし、これはデザイナーの仕事がなくなることを意味するわけではありません。むしろ、AIを「優秀なアシスタント」として使いこなす能力が、これからのデザイナーには不可欠になります。
AIが代替できるのは、あくまで作業の一部です。
クライアントの課題の本質を理解し、共感する力は、人間にしかありません。
解決のためのアイデアを生み出す「創造力」や、チームやクライアントと円滑に合意形成を行う「コミュニケーション能力」もAIには備わっていないため、デザイナーという職業はなくならないでしょう。
2025年以降のデザイン業界トレンド予測

2025年以降、デザイン業界では以下のようなトレンドがさらに加速すると予測されます。
AI活用の一般化
AIをデザインプロセスに組み込むことが当たり前になり、アイデア出しから制作までのスピードが飛躍的に向上します。
サステナビリティとインクルーシブデザイン
環境への配慮は、現代のデザインに欠かせません。年齢や性別、国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが快適に使えるインクルーシブな視点も必須の要件となります。
XR(VR/AR/MR)領域の拡大
仮想空間や拡張現実といった新しい領域でのUI/UXデザインの需要が高まり、三次元的なデザインスキルが求められるようになります。
ブランディングと体験デザインの融合
見た目の美しさだけでなく、Webサイトや製品、店舗など、顧客との接点すべてが重要です。一貫したブランド体験を設計する、包括的な視点が求められます。
まとめ
この記事では、デザイナーという仕事の定義から種類、なり方、そして未来に至るまで解説してきました。
デザイナーとは、単に見た目を美しくするだけでなく、多様な分野で課題解決のための「設計」を行い、新たな価値を創造する、やりがいに満ちた専門職です。その役割は時代と共に進化し、ビジネスや社会における重要性はますます高まっています。
未経験からでも、正しいステップを踏んで学習と経験を積めば、十分に目指すことが可能です。AIの台頭など変化の激しい時代ではあります。
しかし、課題発見力や創造性といった人間ならではのスキルを磨き続けることで、これからも社会に必要とされ続けるでしょう。
この記事が、あなたの「デザイナーになりたい」という夢への第一歩なれば幸いです。


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